米國ではどうか。最新の調査報告によると、金融危機などの影響によって、昨年第4四半期(10-12月)にはアパートの空室率が30年ぶりに記録を更新し、年間の平均賃料も過去最大の下げ幅を記録した。米國最大の賃貸アパート市場であるニューヨーク市でも、約60%の物件が昨年第3四半期(7-9月)以降は賃料引き下げで借り主の引き留めをはかっている。賃料の実質的な減少は大きく、家主達は高い空室率によって損害を被っている。家主の多くは損失をくい止めるため、なんらかの支出をして既存の借り主を引き留めなければならない情況に追い込まれている。失業者の雇用市場に対する信頼がまだ完全に回復していないため、空室率は今後しばらく記録を更新し続ける見込みだ。それだけでなく、ニューヨーク在住の若年層には、家賃支出を切りつめるため、月額700ドルで3.6メートル×2.2メートルほどの極小住宅に住む人が増えている。シャワーで食器を洗い、入念にソロバンをはじき、ごく狹い空間に適応して暮らすため絶えず體重をチェックするという暮らしぶりだ。こうした極小住宅での生活は、金融危機という大きな時代背景の下で、米國の若年層の新しい生活スタイルとなりつつある。
ロシアではどうか。モスクワ市では地価や不動産価格がじわじわと上昇したことを受けて、市外からモスクワにやって來た労働者が不動産を購入することは、もはやかなえられない夢だ。モスクワ出身者にとっても遠い夢だ。新參者のほとんどがモスクワで住宅を買えないこと以上に不満だとされるのが、モスクワでは高額の生活コストを強いられるにもかかわらず、得られる生活の質がそれに見合っていないということだ。この點について、モスクワ市民の49%が便利な都市部で不動産を買うという考えを捨て、極小の部屋を借りて暮らすという生活パターンへの切り替えをはかった。
世界各地の若者にとって、今や部屋問題は悩みの種だ。日進月歩で上昇する不動産価格が多くの若者を失望させ、後退させている。ごくごく狹い空間に身を寄せ合って暮らすもよし、上を目指して努力を続けるもよし。いずれにしても、これは生きるために支払わねばならない代価なのだ。
「人民網日本語版」2010年1月13日
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