短期國債は大幅に減少、長期國債の購入は上昇
英誌「フィナンシャルタイムズ(The Financial Times)」には、「今、投資者を不安がらせるのは何と言っても、中國が米國債に興味をなくすことである」との報道がされている。だが、各方面の分析によると、昨年12月のデータだけで「中國が米國債に興味をなくしている」と判斷するのは時期尚早だと思われる。
舊正月期間、「中國は米國債最大保有國の地位を放棄しようとしている」との情報により、國際市場において大きな波紋を呼んでいる。米財務省が先日発表した海外投資家による対米証券投資に関する統計(TIC)によると、中國の米國債保有高の減少額は、2009年12月において342億米ドルにおよんでおり、その減少率は4.3%に達している。これは中國の米國債保有高の減少において、2000年8月以來最大の落ち込みである。2009年12月末の時點で、中國の米國債保有高は7,554億米ドルにまで減少しており、米國債最大保有國の地位が、また日本に戻ってきている。
中國、「米國債最大保有國」の地位から降りる
これまでを振り返ってみると、中國は米國債保有高において、2008年9月、それまでトップであった日本を上回った後も、米國債の保有率の上昇の勢いは止まることがなかった。だが、この一年、その保有率上昇の足並みが少しずつゆるやかになり、米國の財政赤字や米ドルの価値低下を危ぶむ聲があちこちで聞かれるようになった。2009年における中國の米國債保有高は、3月、5月、7月、9月において、237億米ドル、380億米ドル、241億米ドル、18億米ドル上昇している。10月はほぼ橫ばいで、4月、6月、8月、11月においては、44億米ドル、251億米ドル、34億米ドル、93億米ドル減少している。12月の342億米ドル減は9年以來最大の減少である。
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