中國の吉利自動車は2日、米フォードからボルボの買収を完了した。吉利総裁の李書福氏はボルボ初の華人取締役になり、中國に最初の多國籍自動車グループが誕生した。世界有數の高級車ブランドとしては中國初で、中國の民間製造企業が最大規模の海外企業買収に成功したことになる。
しかし吉利あるいは中國にとってこの買収は、法律上のスタートにすぎない。李書福氏がなぜボルボを買収しなければならなかったのか、ボルボは吉利の何を気に入ったのだろうか。中國は金銭を払うことで自らのボルボを複製することができるのだろうか。こうした疑問を李書福氏に聞いてみた。
――ボルボが気に入ったのは吉利それとも中國市場なのか。
フォードはボルボを売卻したが、売卻すればそれですむというものではない。もしボルボがなくなれば、フォードもそれなりに社會的責任を負わなければならないだろう。なぜ多くの國が買収に挫折したのか。それはボルボを失くすことが目的か、戦略的投資で転売して現金化する目的を抱いていたからだった。
ボルボが吉利を気に入ったのは、まずはその背後にある中國市場だろう。そして2つ目は吉利の「商業文化」、3つ目は民間企業の性質だ。しかしボルボも民間企業にすべて頼るというのは心配だったため、吉利も國有企業と協力を進めた。
――ボルトの核心的な競爭力、考え方、眼力、智恵は李氏のものなのか。
ボルボのものを中國人自身のものにするということは、もしかしたら妄想かもしれない。しかしもし技術やブランドという核心的なものを買収しなければ、妄想するチャンスさえもない。中國の自動車産業は世界と差があり、20年では決して追いつかない。他の方法はない。資金力があるのだからまず買収してから考える。これはまず第一歩だ。