林國(guó)本

私は若い頃からシンガポールという國(guó)の名を知っていた。というのは、知人にシンガポール帰りの華僑がいて、この人は不思議にも、日本の小學(xué)校の唱歌を一字の狂いもなく歌えるので、驚いたことを今でも覚えている。これは第二次世界大戦中の一時(shí)期、日本の占領(lǐng)下にあったことと関連があるのだろうが、この人は英語(yǔ)の通訳として仕事をしていた。

中國(guó)の改革?開(kāi)放以降、シンガポールの人たちがよく中國(guó)を訪れ、中國(guó)の蘇州に開(kāi)発パークをつくり、中國(guó)の近代化とかかわりを持つようになった。仕事の中で、シンガポールのリー?クワン?ユー氏のスピーチを拝聴することも何回かあった。小さな國(guó)なのに、これほど影響力があるのは、なぜかと考えることもあったが、自分の擔(dān)當(dāng)ではなかったので、常識(shí)ぐらいのことしか知らなかった。中國(guó)からは時(shí)々視察団が訪れ、シンガポールの都市管理のノウハウを參考にすることもあった。

そして、さいきん、日本の朝日新聞で、「街、丸ごと輸出。工業(yè)団地?住宅?病院??????すべて建設(shè)」というテーマの記事を見(jiàn)て、大いに感じるところがあった。朝日新聞によると、シンガポールの面積は東京の23區(qū)とほぼ同じ。人口は約500萬(wàn)人で、天然資源に恵まれないのに、１人當(dāng)たりのGDPは日本を上回る、豊かな都市國(guó)家に成長(zhǎng)した。世界じゅうから外資と人材を集め、獨(dú)特の発展モデルをつくり上げたらしい。街づくりはすでに國(guó)際ブランドとして確立されているということである。

考えようによっては、シンガポールのやり方では北京市ひとつだけでも、１人當(dāng)たりのGDPで日本を上回ることも不可能ではないのだ。もちろん、シンガポールがここまで來(lái)るには、いろいろ曲折があったと思われるし、また、これからも世界経済の変動(dòng)の波をかぶることも避けられないと思うが、こういうユニークな発展モデルは參考に値すると思う。もちろん、中國(guó)はシンガポールと國(guó)情も違うので丸寫(xiě)しは不可能だろうが、１人當(dāng)たりのGDPが相撲の世界ではまだ幕下クラスの中國(guó)にとっては、いくらGDPの規(guī)模では世界で２位になろうとしても、この１人當(dāng)たりのGDPの低さは、やはり歯を食いしばってでも、なんとかしなければならない。

中國(guó)は國(guó)土も広いし、石油や良質(zhì)の鉄鉱石など、一部の資源は外部に依存しなければならないが、このところ、しきりに強(qiáng)調(diào)されている発展様式の転換や科學(xué)的発展観を著実に実行して、中國(guó)の特色あるというユニークな発展の道を歩むことが必要である。

さいきん、中國(guó)の東北地區(qū)の黒竜省では現(xiàn)代農(nóng)業(yè)の確立ということが提起され、テレビでは広大な農(nóng)地に飛行機(jī)で農(nóng)薬を撒布している映像がよく見(jiàn)られる。近代的な、「コンピューター制御」の灌漑用水路がはりめぐらされ、旱害とか冠水に悩むことはなくなる、とかいろいろ、理想像が描き出され、やがては日本のコシヒカリに匹敵する米を全國(guó)各地に出荷する時(shí)代が來(lái)るらしい。このモデルの構(gòu)築に成功すれば、アジアの農(nóng)業(yè)にとっても寄與することになろう。そして、モデルとして丸ごと「輸出」することも不可能ではない。

さらにはまた、各省でそれぞれの特色にもとづいて実行されている近代化策も、それが実現(xiàn)したあかつきには、シンガポールのようなユニークな內(nèi)容を持ったモデルが全國(guó)各地にできることになろう。

だが、考えてみると、中國(guó)は13億の人口があり、各地の発展レベルも違い、國(guó)民の教育レベルも異なり、人口500萬(wàn)のシンガポールのようにすんなりといくとは考えられないが、長(zhǎng)い目で見(jiàn)れば、30年ないし多く見(jiàn)積もって50年後には見(jiàn)違えるような中國(guó)になっていることは間違いない。

シンガポールは、國(guó)民全體の資質(zhì)の高い國(guó)であり、また國(guó)土も小さく、人口も少ないので、中國(guó)と比べれば比較的やりやすいようにも思えるが、しかし、根本は國(guó)民１人、１人のガンバリズムと不可分であろう。GDPの総量、１人當(dāng)たりのGDPばかりでなく、國(guó)民全體の資質(zhì)の向上、民度の向上が不可欠である。そして、壯大なビジョンを現(xiàn)実のものにするための強(qiáng)力なリーダーシップも不可欠である。中國(guó)の國(guó)情をつねに念頭において、中國(guó)の特色あるものを作り出していくのである。

「中國(guó)網(wǎng)日本語(yǔ)版（チャイナネット）」　2010年9月29日