仕事で威海に行ったことが何回かあるが、町中でハングルで話し合っている人に何回も出會った。韓國からビジネスで來ている人たちだ。港に近いところのビルに、韓國のインチョン(仁川)港への船便が出ていることも知った。海を隔てて向かい側にある韓國の港へ夜出航して朝著く、というからすぐ近くではないか。私は北東アジアについて関心を持っているし、自稱「グルメ族」でもあるので、一度本場のキムチ、焼肉でも味わいに行こうかと思っているが、諸事多忙でまだバカンスを體験するにいたっていない。
最近、10月17日の『朝日新聞』に日本の総合商社が山東省側と提攜して、グループで事業展開、という記事が掲載されていたが、これは注目すべき動きだと思う。総合商社傘下の主要企業が山東省側との間で環境関連や鉄鋼、食品、農産物などの分野でウィンウィンをめざす事業の具體化の話を詰めているらしい。同省にある中國の大手鉄鋼メーカーへの機械や設備の納入、現地での農産物の加工、改良の余地が大きい低溫物流など広範なインフラ整備が、案として挙げている。
このところ、中國経済は格差の是正、民生の改善などいくつかの問題を抱えながらも、二ケタの成長をなしとげ、日本の一部メディアが懸念として數え上げている課題も真剣になってその解決に取り組んでいるので、日本の企業にとってはこのチャンスをいちはやく捉えて、先行投資をしておくことが賢明であると思う。最近の外國首脳の北京訪問を素人の目で見ていると、もともと非常に見當違いのことをしていた人も、何十社という企業のトップをつれて來て、ちゃんと今後の経済交流のための布石をしており、先見の明があると思う。私は數十年このかた日本を対象とするジャーナリズムの世界に身を置いてきたが、日本は國內の政爭やその他で、対中関係を上手に処理していないように見える。日本の國內問題にこれ以上口ばしをはさむことは避けるが、日本の政治家の中には、中國のことわざにある「スイカを見捨てて、ゴマ粒だけを拾うこと」に汲々とっているタイプの人がかなりいるような気がする。もちろん、その人たちも票田とか、選挙のためにパフォーマンスせざるを得ないことは分からないでもない。私は毎日NHKのニュースを欠かさず聞いているが、失禮な言い方になるが、一部政治家の発言を聞いていると、囲碁で言えばせいぜい三段か四段ぐらいのレベルといわざるをえない。本因坊ぐらいの発言している人には、數十年來、1人か2人しか接していない。