香港旅行に行く予定の尚さんは「今回の香港旅行では何も買わずに北京に戻るかもしれない。同僚に頼まれたブランドのバッグやデジカメどころか、自分が買いたい物さえ無理かもしれない」と、旅行社のアドバイスで、ルイヴィトンのバッグやエスティローダーの化粧品、iPhoneを買物リストから削った。
各地の稅関では今、個人の荷物が5000元(約12萬円)を超える場合は課稅されており、20種の商品は全額課稅という中國稅関の「54號令」が厳しく実施されている。そして海外から帰國した旅行客が購入した商品に課稅されるケースはますます増えているという。
この措置が始まったのは、ネットで注文を受けて海外で商品を購入し、個人荷物として國內に持ち込むという「海外代理購入」などの密輸を取り締まるためで、iPadやiPhoneなどのハイテク製品や高級ブランドバック、化粧品などがチェックの対象になっている。しかし留學生やビジネスマン、海外の小売業者から、5000元というのは今の時代としては低すぎるのではないかという反発の聲も上がっており、旅行會社の重點業務となっている「海外ショッピングコース」が影響を受けるという意見もある。
海外旅行業務を擔當する華遠國際旅行社の関係者は「稅関の検査が最近とても厳しく、特に香港、日本、米國、ヨーロッパから帰國する観光客に対しては、デジタル製品や高級ブランドバッグが検査の重點になっている。クリスマス前後の2カ月ほどは海外のバーゲンシーズンで、『海外代理購入』」の業者が商品を大量に仕入れるため、稅関は特に厳しい措置を取っているようだ」と話す。
前述の尚さんによると、旅行會社の再三のアドバイスで、同行の人たちも攜帯電話やパソコン、高級ブランドバックを買いたかったがあえて買わなかったという?!富捚筏虺证盲迫毪盲皮い匹隶Д氓丹欷咳摔猡い?。稅関は、9點もの化粧品は自分用ではないことから課稅するというが、スキンケア用品と化粧品の種類は非常に多く、シャンプーやハンドクリームなどそのシリーズだけでも何十個にもなる」と尚さんは不満げだ。
大陸の観光客が香港で多く購入する商品は、バッグ、腕時計、化粧品。もし8000元分(約10萬円)の化粧品を買うと、3000元(約3萬7000円)分が課稅されて1500元(約1萬9000円)を納めなければならない。また5萬元(約62萬円)の腕時計なら1萬5000元(約19萬円)の課稅となる。これだと國內で購入すると同じ価格だ。
この「54號令」により香港の旅行業は大きく影響を受けると話す香港旅行発展局の田北俊主席は「香港が世界の買物の天國になったのは免稅政策によるもの。香港を訪れる観光客は、化粧品だけで數千香港ドルを使う人は非常に多い」と説明する。
香港の小売業者は、金融危機が発生してから香港の小売業は大陸の旅行客の購買力のおかげで好転し始め、もし稅関の管理や課稅額が今の時代に合わなければ、大陸の旅行客は香港旅行やショッピングへの興味を失い、香港の小売業も大きな影響を受けるだろうと話す。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2010年11月15日