今年1-4月の人民元建て貿易決済は5300億元(約6兆7千億円)に達し、昨年1年の貿易総額を上回った。人民元の海外流通が加速している。
中國人民銀行(中央銀行)通貨政策司の李波司長は人民元建て貿易決済額の成長について、「昨年は貿易額全體の約2%に當たる5千億元(約6兆3千億円)。今年は成長が加速し、1-4月は貿易額全體の5%に當たる5300億元となり、昨年1年の総額を上回った」と説明。成長加速の要因として、貿易決済のモデル都市が當初の広東省4都市と上海から、2010年6月には20省に拡大し、モデル企業も365社から6700社以上に増えていることを挙げた。
人民元建て貿易決済業務の出発點と立腳點は、貿易と投資を利便化して、市場のニーズに応え、実體経済に寄與することにある。人民元の海外流通の加速傾向に従い、人民銀は人民元建て投資?融資に向けた試験的取り組みを始めている。人民銀および関連部門は今年1月、中國企業の人民元建て海外直接投資に関する試行規則を発表。現在、中國企業による人民元建て海外直接投資額は計約190億元(約2400億円)に達している。一方、海外企業の人民元建て対中投資(FDI)に関する試行規則も起草中で、同規則の施行を前に若干のテストケースも実施された。
「人民網日本語版」2011年5月22日