第二に、中國は自分自身を高める努力が必要である。中國が國際規則の制定権を得るのを妨げる口実を、主要先進國に與えないためである。それを見越したとき、當然ながら中國自身にも改善の余地がある。例えば、IMFの規則では、特別引出権を持つ通貨は流通していることが第一の條件とされているが、人民元は現時點で充分に國際化されておらず、それゆえ特別引出権を得ていない。この件からも分かるように、國の実力とは無関係の要素が一部にあるのである。
第三は、我々中國の対応のまずさである。例えば、市場経済國家としての中國の地位を、少數の主要先進國に認めさせようと働きかけた件である。これは中國製品に対するアンチダンピング告発と投資貿易を抑える効果があるだろうが、中國を批判して利益を奪うための名分を彼らに與えることにもなる。そしてこの種の話し合いは10年にも及ぶことが珍しくなく、効果がほとんど望めない。似たような対応のまずさはその他の方面にもある。
世界経済の統治権を勝ち取るには、一種のゲームのような過程を繰りかえし経ることになる。いま中國は巨大な経済規模を有しているが、他人の定めたルールを受け入れるという受動的な姿勢のままでは、このゲームの中で劣勢を挽回することはできない。つまり、自らの実力や優位性をいかに利用して國際規則の制定権を得るかというのが、中國が直面している現実的な問題なのである。ただ、13億の人口を擁する中國の巨大市場と上昇し続ける経済的地位を考慮すれば、中國が國際規則の制定に參與し、主要な制定者となるというのは當然の成り行きである。またさらに、現今の世界経済統治の枠組みに対する改革を推し進める筆頭的存在ともなるべきであろう。