「極端な気象現象の増加は多くの要因と関係があり、科學者もまだ結論を出していない。長江中?下流域の干ばつを三峽ダムと結びつけるのは、三峽ダムに対する余計な心配だ」と、近ごろの社會における三峽に対する疑問について、中國長江三峽集団公司の陳飛社長は取材に応じ、説明した。
中國三峽集団は20日、創立18年で初めてとなるCSR(社會責任)報告を発表した。報告によると、2010年末現在、中國三峽集団の総資産は2855億元、設備容量は2147萬キロワット、うち三峽発電所は1830萬キロワット、同集団の年間発電量は1000億キロワット超だった。2010年の同集団の主要業務収入は290億元、利益総額は141億元で、中央企業の中で15位につける。
社會で関心が持たれている気候変動と住民移転の問題について、陳飛社長は「三峽集団は水資源の利用効率を高め、長江中?下流域の干ばつ防止?水利用の緊迫狀態を緩和した」と話す。
今春に入り、長江中?下流域は歴史上まれに見る大干ばつに見舞われた。三峽ダムプロジェクトが異常気象を誘発したとの見方もあり、これについて陳飛社長は、「三峽集団は國家洪水?干ばつ防止総指揮部の政策に基いて干ばつ防止?水補給の応急措置に取り組み、下流域への水補給を早急に行い、長江中?下流域の干ばつ防止?水利用の緊迫狀態を緩和し、下流域の水上輸送環境を改善した。今年1~5月、三峽ダムは下流域へ200億立方メートルの水補給を行った」と述べた。
また、三峽ダムプロジェクトの洪水防止基準について、次のように説明した。三峽ダムは自身のダム貯水量を調節して下流の荊江河區間の安全を確保し、「100年に一度」レベルの毎秒8萬3700立方メートルの洪水に対応できる。三峽ダムと荊江分水區の総合的運用は、江漢平原地區の安全を確保し、「1000年に一度」レベルの毎秒9萬8800立方メートルの洪水に対応できる。「1萬年に一度」の洪水防止基準は毎秒11萬3000立方メートルで、10%の流量が増えても三峽ダムは安全ということになる。
住民移転の問題について、報告は、中國三峽集団は國家條例と関連政策に厳格に基き、住民に移転手當てを早急に支給し、移転住民のニーズに応じるとしている。また、三峽発電所の発電利益から計上した住民移転後期支援基金は、移転住民の生活保護やダム周辺の産業の発展に用いるという。
2010年末現在、三峽集団が移転住民に支給した移転手當ては約840億元、住民移転後期支援基金は31億元に達した。
國有資産監督管理委員會の黃淑和副主任は、「三峽ダムプロジェクトは全國が関心を寄せ、世界が注目する事業で、現在も意見が一致せず、論爭が続いている。三峽集団は社會にプロジェクトの実情を伝え、よい情報を報告し、よくない情報も公表する責任がある」と話す。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2011年6月20日