林國本
高度成長、國際的地位の向上、諸外國企業のアジア総本部の北京への進出とこのところいいことずくめであるが、日々出勤している人の間から渋滯のひどさに対する不満もだんだんと顕在化してきた。
私のように第一線から引退した人間はあえてラッシュアワーを選んで外出することもないので、無頓著であったが、ある日関係している學校の打ち上げパーティーで、食事が終わりかけているのに、何人かが渋滯にひっかかって、おひらき間近にかけつけてきたので、事の深刻さを知った。さいわい、私は會場の近くに住んでいたので、呑気な気持ちでいたが、このときはじめて北京の交通事情のひどさを知った。
北京市は東京やシンガポールなど世界の大都市の狀況を調べて、真剣に打開策に取り組んできたが、最近、好転の兆しが見えてきた。しかし、急激なモータリゼーションの進展などで、徹底的な解決は難しいと思う。
とにかく、世界的な大都市の建設を目標にかかげて前進をとげる北京のこと、高速を何本作ってもあまり変化が見られない。
かつての北京は「自転車王國」ともいわれていたが、いまでは高齢者以外のかなりの「出勤族」はクルマを持っているか、ペーパー?ドライバーである時代になった。