◆真の狙いは中國叩き
私募に詳しい孫偉強氏は、西側諸國の上述した「批判」の背後には、明らかな利益目的が存在すると指摘した。「ドイツの高速鉄道、米國ボーイング、歐州エアバスでも重大事故が生じているが、今回の中國高速鉄道事故はとりわけ世界的な注目を集めている。また今回の事故は高速鉄道ではなく”動車”(時速200~250キロで走行する在來線の高速列車。國際基準では、営業最高速度が250キロを超えると高速鉄道と定義される)で生じたが、西側メディアは高速鉄道の一點張りだ」。
同氏はまた、「真の目的は、中國叩きにより高速鉄道の輸出を牽制することにあるのかもしれない。実際、中國の高速鉄道には優秀な點も存在する。軌道スラブ、鉄道橋、機體、コントロール等のシステムは、世界的にも高い水準に達している」と続けた。
中國高速鉄道の、世界レール交通建設市場におけるシェアが、年々高まりつつある。中國南車の年次報告によると、同社の2008年-2010年の世界市場における営業収入は年平均51%増となり、2010年の営業収入は44億8600萬元(約5600億円)に達し、世界全體の7.22%を占めた。中國南車は現在、サウジアラビアのメッカ巡禮用地下鉄、タイのBTS地下鉄、香港の地下鉄、イランのマシャド高架鉄道等の5つのプロジェクトに関して、試作を完了している。中國鉄道省が公開したデータによると、2010年末現在、中國の鉄道関連企業が海外で請け負った鉄道工事契約金額は260億ドル(約2兆700億円)に達した。鉄道技術設備は、アジア、アフリカ、オセアニア、アメリカ大陸の30を超える國と地域に輸出されている。これらの成績は多くの鉄道先進國を上回るものだ。
孫偉強氏は、「中國の高速鉄道は豊富な資金力を持っている。日増しに高まる中國の金融面の実力もまた、高速鉄道の輸出を力強く下支えしている。米國カリフォルニア州の高速鉄道工事に関して言えば、中國高速鉄道のコスト優勢がないがしろにされた場合、獨?仏?日?韓等の競爭相手は同プロジェクトに対して巨額の資金を融資できなければ、契約締結が困難となる」と指摘した。
「人民網日本語版」2011年7月29日