今後の方向性について、干勇氏は「中國のレアアース政策には、米國とメキシコが非難するような、貿易保護主義的な傾向はない。そのため中國國內でも、各國からの非難により生まれるリスクへの対応策を講じている」と語った。中國のレアアース管理には、WTOの法的根拠が存在する。関稅および貿易に関する一般協定(GATT)1994第20條(g)項の條項、および米國の「エビウミガメ事件」で示された司法理念は、中國政府の対応に対して、WTOの規則?判例面から正當性を証明するための根拠を提供した。
事実、中國本土の企業および業界も、レアアース高騰による圧力を受けている。酸化ネオジムの現在の価格は1トン當たり約148萬元(約1850萬円)で、年間上昇率は628.4%に達した。某川下企業は記者に対して、「レアアースの価格高騰は、企業に深刻な影響を及ぼしている。當社も代替品の使用を検討中だ」と語った。大口原材料の情報を提供する百川資訊の?萍アナリストは、「このほどレアアース価格がやや下落したが、利益が食い込まれている。レアアース価格は依然として上昇傾向にあるが、今年上半期ほどの上昇率を見せることはないだろう。またレアアースを使用する川下業界は、深刻なコスト圧力にあえいでいる」と指摘した。
「人民網日本語版」2011年8月10日