増稅案はトライしてみる価値はある
そのため実質ゼロ金利の狀態であっても、民間企業に融資したがる銀行のことを、生き血を吸うモンスターのように見てしまうのである。2008年、世界に波及した金融危機の傷跡がまだ癒えていない日本経済において、企業の資金需要は今も慎重化の傾向が見られる。如何に金融政策を緩和しても資金需要の喚起にはならない。公的債務殘高のGDP比率が250%にまで達した今、増稅せずに財政再建を目指すなどと悠長なことは言っていられないのだ。
そのため、野田新首相はリスクを冒してでも消費稅の稅率引き上げに踏み切るほかないのである。最悪の場合、稅率を引き上げた結果、消費が縮小し、稅収減になったという橋本政権時代の悲劇を繰り返すことになるだろう。だが、日本が同じ道を歩むのではなく、財政狀況を改善できる新たなルートを切り拓くことができると信じている。なぜなら20年以上もの間、日本経済は瀕死の狀態を彷徨ってきたが、ここにきて生命力が回復してきているからだ。この度の増稅案は、確かにリスクが伴うが、トライしてみる価値はあるだろう。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2011年9月5日