日本精工は230億円超を投資し、日本を除いて世界最大の投資規模、最高品質の設備を有するベアリング生産施設を中國に建設する。日立は中國西部地區の本部を重慶の両江新區に設立し、資源循環や低炭素経済などの分野のモデル事業および研究?開発?生産拠點を共同でつくる。日産自動車は向こう5年で中國事業に6100億円を充て、中國における合弁會社の年間生産臺數を現在の120萬臺から230萬臺に増やし、中國市場3位を目指す。
中國商務部が発表した統計によると、今年1~10月の中國の実質外資導入額は約950億ドルで、前年同期比15.8%増だった。中でも、米國、イギリス、フランスからの投資がそれぞれ14.4%、1.7%、24%減少したのに対し、日本からの投資が65.5%増加した點に注目したい。
歐米のホットマネーが中國市場から撤退しているときに、日本の対中投資が盛り上がりを見せているのはなぜだろうか。分析してみると、以下の3つの理由が考えられる。
まず、日系資本が中國に流れ込む背景に、歐米経済への悲観的観測がある。
円高は日本製品の輸出を妨げたが、日本企業にとっては対外投資を拡大する良いタイミングとなった。日本政府と日本銀行もすぐに政策を見直し、民間の円資金の外貨への転換を奨勵し、円高による圧力を和らげた。また、1000億ドル規模の円高対策を打ち出した。この対策は、國際協力銀行を通して銀行に融資枠を與え、銀行は海外投資や外國の天然資源の調達で資金が必要な日本企業への融資を増やすというものだ。しかし、続く歐州債務危機、米國経済の低迷により、日系資本は歐米市場を斷念せざるを得ず、安定した中國市場を選ぶようになった。