中國高速鉄道の発展に関連する問題について『中國経済週刊』は、中國工學院アカデミー會員であり中國中鉄隧道集団(China Railway Tunnel Group)の副チーフエンジニア?王夢恕氏にインタビューを行なった。
『中國経済週刊』:「溫州高速列車追突事故」調査チームの技術専門家グループの副主任として、事故の調査報告に60點という低い點數をつけたのはなぜですか。
王夢恕氏:なぜ60點かと言うと、報告ではやはり技術的な問題を主要な事故原因として示したかったようだが、私自身は事故の原因は完全に管理面の責任問題であると考えている。
機械設備と人の操作はお互いに補い合うものであり、設備が壊れたから直ぐに大事故につながるかと言えばそうではない。設備がなかった時も追突事故は起きなかったではないか。今、多くの事故の要因となっているのが訓練不足であると考える。
通常なら列車には運転手が2人必要だが、コストの削減により、今では1人になってしまっている。そこからして間違いなのである。高電圧の環境で仕事をするのは疲れやすく、また1人で運転しているのではトイレに行くこともできない。オムツを穿いて仕事しなくてはいけないというのはとてもひどい話である。
『中國経済週刊』:以前、溫州高速列車車両追突事故の背景には、中國の高速列車運転手の養成の不十分さと、人員不足があると仰っていましたが、具體的に説明してください。
王夢恕氏:中國に不足しているのは、実際に操作を行うスタッフであり、技師とシニア技師がとくに不足している。安全でないと言う人がいるが、その原因の一つは一部のスタッフの質が低いことにある。
また、高速列車運転手の待遇も良くない。以前、鉄道の運転手には社員宿舎が與えられ、完璧に管理されており、運転手には満足な食事と十分な睡眠時間が確保されていた。今では、社員宿舎は市場化し、運転手は自分のお金でご飯を食べ、自分で寢る場所を見つける必要があり、すべて自分で行わなければならない。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2012年4月1日