現在の中國人民銀行(中央銀行)の通貨政策の調整は板ばさみの狀況にあると言える。一方では、「経済の安定的成長の維持」には、通貨政策の調整のよる更に多くの支援が欠かせない。第2四半期、中國の國內総生産(GDP)成長率は3年ぶりの低水準だった。7月の製造業購買擔當者指數(PMI)のサブ指數である新規輸出受注指數の下げ幅は例年よりも際立って大きく、歐州債務危機による外部需要の落ち込みが中國の輸出に與える影響が小さくないことがわかる。歐州債務危機の根本的な解決手段は依然見つからず、加えて中國の人口ボーナス期がターニングポイントに差し掛かっているなどのマイナス要因により、中國の経済成長は今後も多くの課題に直面すると見られ、経済の安定的成長の維持に向けた通貨政策によるバックアップが引き続き必要である。
また一方では、膨大なマネーストックが「ダモクレスの剣」のように頭上にぶら下がっていることによって、政府は流動性を放出するにも細心の注意を払わなければならない。2011年末現在、中國のGDPに対するM2(広義のマネーサプライ)の割合は1.808の高水準に達しており、既に通貨発展プロセスが完了している先進國、例えば日本の1.723よりも高いだけでなく、同じように通過発展過程にある発展途上國であるブラジルの0.39をも上回る。そのため、巨額のマネーストックの機能を十分に発揮すると同時に、通貨政策の緩和の度合いをしっかり見極めることが重要である。