10月8日、人民元対米ドルのスポットレートは一時最高値を更新し、人民元対米ドル基準値からの最大上昇幅は0.98%に達し、人民元対米ドルの上下1.0%の変動幅制限に迫った。市場関係者は「この頃、人民元スポットレートが上昇し続けているのは、米ドルが軟化していること、企業の外貨保有意欲の変化とホットマネーの流動性が高まったことなどが総合的に影響していることを示すものである。しかし、國內外の情勢によって、過去のような一方的な人民元切り上げ傾向は長く続くことはない」と見ている。9日付中國証券報が伝えた。
◆人民元対米ドル為替相場の最高値更新相次ぐ
ここ數日、人民元相場は対米ドルで頻繁に最高値を更新している。國慶節の大型連休前には、1米ドル=6.30元に急伸し、2005年7月の人民元切り上げ後の最高値を更新した。そして連休後の8日に再び最高値を塗り替えた。
10月8日朝、中國人民銀行(中央銀行)は、國內の人民元対米ドルレート基準値を6.3426元とし、前の取引日よりも16ポイント引き下げた。一方、銀行間外國為替市場寄り付き後、人民元対米ドルの相対取引(OTC取引)は依然慣性的に高値で始まり、前の取引日の最高値を更新、一時6.2812元の高値を付けた。その後、為替レートはある程度調整されたものの、最高値付近で変動し、終値は前取引日より23ポイント安の6.2872元だった。
7月下旬以降、人民元対米ドルのスポットレートは急速な勢いで上昇している。7月25日に終値ベースでの年初來安値を記録してから、10月8日現在まで1155ベーシスポイント上昇しており、上げ幅は1.81%に達し、2012年以來、人民元は期間?上げ幅共に最大の上昇局面にある。
この度のスポットレートの上昇の根源にあるのは、國際市場における米ドル相場の下落である。7月下旬、米ドル指數は一時84ポイントの大臺を突破し、人民元スポットレートもこれに合わるように上昇している。しかし、ここ最近の雙方の動向ははっきりと分かれており、米ドル指數は量的緩和第3弾(QE3)が打ち出された後から安定し、78―80ポイントの間で変動しているが、人民元の対米ドル相場は急伸し続けている。銀行間外國為替相場のアナリストは「今回の人民元の対米ドルでの上昇は、米ドルの調整の影響以外にも、米ドル為替相場が期待で反発した後のホットマネーの流動や企業の集中的な外貨決済?販売なども総合的に影響している可能性がある」との見方を示している。