▽「経済は中レベルの高度成長段階に突入」の意味は?
経済成長の適切な範囲とは、一定の期間に、社會の物質的パワー、資金的パワー、人的パワー、すなわち総合的な國力が支えることのできる潛在的な経済成長の範囲を指す。
現在、國の內側と外側に出現した新たな経済環境を背景として、中國経済は成長ペースが低下するギアチェン時期にさしかかっている。経済成長ペースの低下には習慣性があり、このため、経済成長はこれまでのようなたびたび上限を越える狀態から下限を割り込まないようにする狀態へと転換し、下限を把握することがマクロ調整における大きな問題となった。それでは現在とこれから5年ほどの間に、経済成長の適切な範囲を一體どれくらいと考えればいいのだろうか。実際の國情を出発點とし、共通認識を形成しやすくし、マクロ調整の実踐における把握を容易にするため、今年の「政府活動報告」における経済成長率の目標値と物価上昇率の目標値を參考にするのが一つの選択肢になる。今年の経済成長率の目標値は7.5%で、これを適切な範囲における下限とすることができる。過去の事実から見ると、今年第2四半期(4-6月)の國內総生産(GDP)増加率は7.5%に低下しており、さらに低下する危険があり、マクロ調整では経済を「やや活性化する」一連の政策が採られ、底がしっかりと補強された。適切な範囲の上限は物価上昇率から把握することができ、経済成長率からも把握することができ、この2つは密接な関連がある。過去30數年間のデータで計算すると、消費者物価指數(CPI)の上昇率が3%であればGDP成長率は8.93%となる。3.5%であれば9.13%、4%であれば9.32%になる。こうした過去のデータを參考にすると、今年の「政府活動報告」ではCPI目標値は3.5%となっており、GDP成長率はおおよそ9%ということになる。よって、GDP成長率9%が適切な範囲の上限ということになる。
経済成長の適切な範囲は7.5-9%であるということから。中國経済が高度成長の段階から中レベルの高度成長の段階に入ったことがわかる。