◆ワン?ソニー
ソニーは中國市場で、ソニー(中國)、ソニーモバイルコミュニケーションズ、ソニー?ミュージック、ソニー?ピクチャーズなど獨立した子會社を持っており、その他の市場においてもほぼ同様だ。平井社長は2012年上半期の就任以降、16カ國の子會社を訪問し情報を集め、中國だけで3回も訪問した。平井社長はその後間もなく「ワン?ソニー」という戦略を掲げ、社內資源の統合を求めた。
ソニー社內では、各部門がそれぞれ勝手な経営をするという、「大企業病」が長く存在している。平井社長は調査の中で、社內の4部門がタブレットPCを同時に開発していることに気づいた。平井社長は部門を跨ぐユーザー総合體験部門を設置した。同部門はデジカメ、テレビ、ゲーム機、AV機器、パソコンの製品計畫を総合的に評価し、方針を決定する権利を持ち、これを直接指導できる。タブレットPCの製品名についても、平井社長は直接「Sony Tablet」と命名した。ソニーのすべての製品シリーズは獨自の名稱を持ち、テレビはBRAVIA、ノートPCはVAIO、デジカメはサイバーショット、攜帯電話はXperiaと呼ばれる。
製品名は當然ながら表面的な変化であるが、実質的な変化も生じている。例えばソニーが発売したXperia Zは、1300萬畫素の裏面照射積層型CMOSという、サイバーショットのカメラ機能を搭載しており、ディスプレイとエンジンはBRAVIAから來ている。同製品は平井社長の「ワン?ソニー」戦略が、ハード面で実行された証拠とされている。