中國の消費者に依存する世界ブランドの上位3位にイタリア高級ブランドのサルヴァトーレ?フェラガモが入った。CEOのMichele Norsa氏は今年3月に行われた取材に対し、中國人観光客の春節期間の消費によって、グループの2月の売上業績は良好だとした上で、「イタリア本部の店舗における10日間の売上は著しく増加した」と述べている。
2週間前に起こった突然の中國元の切り下げは、高級ブランドの足並みを大幅に狂わせた。ドイツ銀行のアナリストが整理したデータは、どのブランドが中國消費者に近い位置にいるのかを伝えている。この「チャイナリスク」ランキングで1位になったのは、Swatch、Breguet、Blancpain、Omega、Longinesなどのブランドを持つスウォッチグループ。20%の収益が中國內地市場となっている。2009年にはわずか10%だった。2位以下は、フェラガモ、グッチ、バーバリーと続く。しかしこのデータは海外で爆買いする中國人を全く含んでいない。
ユーロと円の通貨安がこのところ続いてきたため、中國の消費者はヨーロッパや日本へ旅行に走り、「リーズナブル」な高級品を買って帰るようになった。ドイツ銀行のデータによると、高級腕時計や寶石を扱うスウォッチグループとリシュモングループは世界的規模で中國人消費者を惹きつけている。後者はそこから40%以上の収益を上げている。リシュモンは、中國市場での収益は全體の8%だが、海外消費する中國人観光客からの収益を合わせると41%にも上る。
LVMHとケリングの代表ブランドであるルイ?ヴィトンとグッチは、共に中國人観光客に人気のブランドだ。ルイ?ヴィトンの中國國內市場での収益は全體の10%だが、海外消費する中國人観光客からの収益を含めれば26%になる。グッチの中國國內市場での収益は14%で、海外消費する中國人観光客からの収益を含めると35%となる。
中國が海外輸出する高級ブランド消費者は、高級ブランドに様々な恩恵を與えてきた。香港上海銀行が今年2月に発表した「グローバル消費者レポート」によると、中國の消費者が高級グランドを消費する割合は世界全體の3分の1を占め、そのうち3分の2が海外消費である。
しかし、いい話は長く続かない。8月11日、12日と連続で中國元が約3%下落したことから、サルヴァトーレ?フェラガモ、LVMH、リシュモン、スウォッチ、バーバリーなどの株価が5%以上下落した。
ベイン?キャピタルが今年5月に発表したデータによると、2014年の中國內地で個人運用可能資産が1千萬元以上の富裕層は100萬人以上の規模となっている。
高級ブランドにとってもう1つの鎮靜剤は、中國が現在行っている関稅調整である。6月1日より中國は、服裝や靴、スキンケア、おむつなどの日常消費品の一部に対し、輸入関稅率を引き下げた。平均下げ幅は50%以上となっている。イタリアの全國ファッション協會の名譽會長であるMario Boselli氏は中國メディア「界面新聞」の取材に対し、「人民元の下落による影響は大きくない。むしろ関稅率が下がったことで中國本土でのブランド品消費が一気に高まっている」と述べている。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2015年8月29日