中國人民銀行（中央銀行）が7日に発表したデータによると、中國の11月末の外貨準(zhǔn)備高は3兆516億ドルで、10月末より691億ドル減少した。5ヶ月連続の減少により、3兆ドルを割り込もうとしている。専門家は「中國の外貨準(zhǔn)備高は依然として十分であり、心配する必要はない。11月の資本流出はやや増加したが、全體的にコントロールされている」と述べた。

中央銀行のデータによると、11月末の外貨準(zhǔn)備高は691億ドル減（2.2％減）となり、今年1月ぶりの下げ幅を記録。國家外貨管理局の責(zé)任者は「11月の狀況を見ると、中央銀行は外貨需給バランスの調(diào)整、米大統(tǒng)領(lǐng)選後の各國通貨の対米ドルレートの全體的な低下、債券価格の回復(fù)などのさまざまな要素による総合作用に対処するため、外貨を市場(chǎng)に提供した。これにより外貨準(zhǔn)備高が減少することになった」と説明した。

招商証券チーフマクロアナリストの謝亜軒氏は「11月の外貨準(zhǔn)備高の減少の約半分は、レートの変動(dòng)によるものだ。中國の11月の外貨準(zhǔn)備高のうち、ユーロ、円などのドル以外の主要通貨がほぼ全面安となった。レート変動(dòng)により約300億ドルの外貨準(zhǔn)備高が失われた」と指摘した。

データを見ると、米ドル指數(shù)は11月に3％上昇した。各國通貨の対米ドルレートを見ると、円は8.42％安、ユーロは3.57％安、スイスフランは2.78％安となった。

中國金融先物取引所研究院チーフエコノミストの趙慶明氏は「中國の外貨準(zhǔn)備高が減少した主因はドル高だ。これは米連邦準(zhǔn)備制度理事會(huì)による12月の利上げ観測(cè)と、來年の米國経済への観測(cè)によるものだ。人民元の対米ドルレートも11月に1.69％低下した。外貨市場(chǎng)は活況を呈し続けており、中央銀行は外貨需給バランスを調(diào)節(jié)するため外貨資金の投入を拡大する」と述べた。

5ヶ月連続の減少により、外貨準(zhǔn)備高が3兆ドルを割り込もうとしている。中央銀行の易綱副総裁は外貨準(zhǔn)備高の現(xiàn)狀について、新華社の獨(dú)占インタビューに応じた際に「中國の外貨準(zhǔn)備高はこのほどやや減少しているが、世界一を維持しており、十分に確保されている。中國の外貨準(zhǔn)備高は世界の3割弱で、2位の日本の2.6倍、3位のサウジアラビアの5.7倍となっている」と話した。

中國金融四十人フォーラム上席研究員の管濤氏は「外貨準(zhǔn)備高がどの程度の規(guī)模が適切かに関しては明確な指標(biāo)がなく、市場(chǎng)の需給の変化によって変わる。現(xiàn)在は外貨準(zhǔn)備高の減少を懸念する必要がなく、3兆ドル以上で維持する必要もない。客観的に見て、中國の外貨準(zhǔn)備高は十分にある」と述べた。

中國の外貨準(zhǔn)備高は現(xiàn)在、すべての外債と6ヶ月の輸入を賄っても、十分殘されるほどだ。また近年、毎年約5000億ドルの貿(mào)易黒字、海外からの1200億ドルの直接投資があり、金融機(jī)関を通じて全社會(huì)の外貨使用の需要を満たしている。

「中國網(wǎng)日本語版（チャイナネット）」　2016年12月8日