今後は、「一帯一路」建設をめぐる新たな情勢と要件を照らし合わせ、中國のストーリーを語り、中國の聲を伝えていくことになるが、それには人間重視のソフトパワーを中心に據えることが必要だ。「一帯一路」の建設は、人と人が心を通わせることが非常に重要だ。「人間はものの感じ方や考え方に大きな隔たりはない」。人間を中心に據え、合意形成を進めれば、地理的な制限は往々にして打破できる。そのため、「一帯一路」は人間の要求と尊厳を基盤として建設すべきだ。互恵協力と相互扶助?相互學習を基盤として建設し、文化交流に注力する。文化の差異は「一帯一路」沿線國家の最大の差異であり、文化の融合が最も重要となる。文化交流と協力が「一帯一路」建設で大きな意義を持つのだ。文化を橋渡しとすれば、沿線諸國の分野、階層、宗教の異なる人々とより良く交流協力できる。2014年に、中國はカザフスタン、キルギスと協力し「シルクロード:長安-天山回廊の交易路網」をUNESCOの世界遺産リストに申請、登録したが、これが1つの成功例だと言える。
対外的な経済法規や政策、技術基準に関する諸條件のマッチングも「一帯一路」建設で重要だ。2016年6月の時點で、中國は「一帯一路」沿線11カ國とFTA(自由貿易協定)を結び、56カ國とBIT(2國間投資協定)を結んだが、今後はこれをもとに、諸條件のすり合わせを進める必要がある。規則については、交渉や協議を通じ、沿線各國の発展戦略と連攜を進め、それぞれの地域経済協力の枠組み?規則と相互に連動させる。技術基準については、貿易と投資の利便性向上を目標に掲げ、貿易障壁を削減する。異なる経済圏間で各種要素の自由な流通を妨げるものを取り除き、通関の利便性向上を図る。稅関手続きと検疫を簡素化し、通関手続きの電子化を普及、市場環境の改善を図る。