宇宙開発の専門家で上海空間推進研究所顧問とアメリカ航空宇宙學會(AIAA)高級會員を務める傅軼青氏は記者の取材に香港で応じ、中國の宇宙開発技術はすでに月面上陸が可能な水準に迫っていると述べた。中國新聞網が8日伝えた。
傅氏によると、現在中國の新たな宇宙飛行士らが學んでいる技術は月面上陸に備えたもので、中國の月面上陸の総體的な技術には特に大きな問題はないが、一部の細かい問題をさらに研究し、解決する必要があるという。
上海空間推進研究所が開発した遠地點モータは大きな鍵を握る部品だという。その重大さを中國が初めて打ち上げた月探査衛星「嫦娥1號」を例にとって説明すると、衛星はまずロケットで対地同期軌道に送られる。それから遠地點モータを噴射しどんどん加速して大きな円を描き、第二宇宙速度に達すると地球の引力から脫し、地球から月への遷移軌道に入り、もうじき月に到著するという時に遠地點モータを停止させて軌道を縮小し、何度か減速を繰り返すうちに月の引力圏に入り、こうして月探査衛星となる。
今年打ち上げ予定の「嫦娥2號」は將來の月面上陸に備え、より月に接近した軌道がとられる計畫だ。
中國はその次に宇宙ステーション「天宮1號」を打ち上げるが、宇宙空間でのドッキング技術もブレークスルーを果たした。さらに宇宙ステーションを打ち上げる大型ロケット「長征5號」の開発も進められている。嫦娥2號、3號を打ち上げ、月面軟著陸を実現し、月面車を走らせて月面の地形や地質構造、巖石の分布などを調査し、これらのデータをもとに月面基地の建設地を選ぶ段取りとなっている。
「人民網日本語版」2010年2月9日 |