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魔除けの節句

人民中國  |  2016-05-18

魔除けの節句。

タグ:端午節

発信時間:2016-05-18 15:24:27 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

湖南省汨羅県にある屈子祠村は、屈原が汨羅の河に身を投げて、殉死したところである。その後、村に「屈子祠」(ほこら)が建てられたため、その名がついた。地元での端午節は、とりわけ盛んで、にぎやかである。

端午節の朝、村人たちは野山に出かけてヨモギや藤のつるを、また池のほとりでショウブを刈って、門にさしたり、掛けたりしている。こうした風習について、村人たちは次のように話している。

「ヨモギは、芝居の舞臺で使われる馬の鞭に似ている。まっすぐで長いショウブの葉は、青銅製の寶剣のよう。くねくねと曲がった藤のつるは、妖怪をつかまえる鉄の鎖だ。広間には鍾馗(伝説上の魔除けの神)の絵を貼るが、その鍾馗が馬に乗って、寶剣を持ち、鉄の鎖で門を守れば、魔物や妖怪が家に入って、災いをおこすことはないだろう」

端午節にヨモギをさしたり、ショウブを掛けたりする習わしは、古代人が5月5日を「悪月、鬼日」としていたことに始まる。五月には、家を建てたり、かまどを設けたり、寢床に敷くござを干したり、新しい仕事や役職に就いたりしないだけでなく、5月5日生まれの子どもは両親に悪運をもたらすと考えられて、捨てられたという話も殘る。

また、5月ともなると暑くなり、カやハエが出てきたり、疫病が流行ったりする。「五毒」と言われるヘビ、サソリ、ムカデ、ヤモリ、クモなども出てきて、人間に害をおよぼす。そのため、香りのきついヨモギやショウブで害蟲を追いはらうほか、玄関先にトウガラシやニンニク、破れた漁網を掛けるなど、さまざまな魔除けの風習がある。

女たちは『五毒図』を壁に掛け、害蟲の絵に針をさして、五毒がなくなることを願う。

子どもは體が弱いので、邪気や毒にやられやすいと思われている。そのため、壽命を延ばすとされる五色の糸「続命縷」を腕に結びつけるほか、香料を布袋に入れ、子どもの身につけてやる。見た目にもきれいだし、邪気をはらうこともできるというのだ。

花を入れて湯浴みするのも、端午節の風習である。小さいころ、ふるさとの広東省では、端午節ともなると母が庭に置いた風呂桶に、ヨモギやショウブ、ホウセンカ、ハクモクレンをひたしていた。晝近くになって水が溫まると、その風呂に入れてくれた。草花についた水を、私の體にまきながら「ヨモギとショウブの水で體を清めると、あらゆる病気を取り除くのですよ」と言っていた。考証によれば、ランの花を入れる湯浴み「蘭浴」は、四千年前の夏の時代には行われていた古い習わしであるという。

蒸留酒の白酒と雄黃(鶏冠石、天然の硫化ヒ素の一種)などを混ぜた「雄黃酒」は、端午節にはなくてはならないものである。部屋の掃除をしたあと、床にそれをまくのである。民間のことわざに?雄黃酒をまくと、蟲が遠くへ逃げる?とある。昔、端午節の晝食時には、雄黃酒を少し飲んだり、指に雄黃酒をつけて子どものひたいに?王?の字を書いたりして、邪気や厄を除けていた。今では、雄黃酒を飲めば、嘔吐や下痢をして、意識がもうろうとする中毒癥狀が現れるので飲まなくなった。それでもヨモギをさして、ショウブを掛け、雄黃酒をまくことが、夏場における殺菌や蟲除け、病気の予防に効果的な、よい習慣だと思われている。

また、民間においては、端午節に薬草を採るという習慣がある。この日に採った薬草は、もっとも効くといわれている。なぜなら多くの薬草は、端午節のころになると、葉や莖、根が成長して、薬用になると考えられているからだ。まさに、薬草の栽培農家が言うとおり、?端午節前は草だが、端午節になると薬になる?である。

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?中國網日本語版(チャイナネット)? 2016年5月18日

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