日本の経済産業省は6月19日に発表した2009年版通商白書の中で、國際通貨基金(IMF)の予測として、2010年には中國の國內総生産(GDP)が日本を上回り、日本は世界第二の経済大國としての地位を失うであろうことを取り上げた。中國経済が日本を上回ることに日本政府が言及したのはこれが初めてである。ここ數年來、中國経済の急速で安定した発展は確かに中國國民を喜ばせている。しかし、それと同時に、今日のGDPの數字の変化は中日間の経済力の量的変化を物語っているだけで、質的変化にまでは至っていないことを見るべきである。
中國と日本のGDPは08年、それぞれ4兆4000億ドル、4兆9000億ドルだった。IMFの予測によると、中日両國のGDPの実質成長率は今年、中國が6.5%、日本がマイナス6.2%となる。この數値に基づけば、中日両國のGDPは今年それぞれ4兆6800億ドル、4兆6200億ドルになり、中國は日本を超えることとなる。數字の変化は爭えない事実を伝えている。これは中國経済が不況を脫し、金融危機によってもたらされた圧力を乗り越え、安定した緩慢な成長段階に入ることを示している。逆に日本は、経済が長年停滯して進まない狀態にある。いったん中國が日本を上回ったら、日本が世界第2の経済的地位を奪い返すのは難しくなるだろう。
中國は間もなく世界第2の経済大國になる。これを喜ぶ人々の気持ちは理解することができる。日本を上回った後、中國が世界第1の経済大國になるのも間近だと楽観的に見る人は少なくない。ネット上では、GDPの數字を民族主義的な色彩に染めて、中國が「小さな日本」に打ち勝った、などと言う人さえいるが、このように一人で悅に入るような行き過ぎた心情は取るに足らないものだ。実は、われわれは中國のGDPが日本を上回ることをより理性的に見るべきなのだ。
第1に、GDPの數字1つだけで中國と日本の全てを概括することはできないこと。中日両國の経済は質的にまったく異なっている。経済構造から見れば、日本の第3次産業の比率は70%に達しているが、中國はわずか40%である。周知のように、第3次産業の比率が高いことは発達した國の重要な指標である。日本の都市化水準も中國をはるかに上回っており、社會環境、國民の資質から見ても、中日両國には一定の差がある。事実上、中國のGDP総量が日本に接近しているとはいっても、日本の一人當たりGDPは中國の約13倍にのぼる。今年3月から、日本経済はやや好転しており、中國と日本の経済総量にはまだ約13%の差が見られる。日本経済が下半期から回復するならば、中國の経済総量が短期間に日本を追い抜くのは依然として骨が折れることだ。
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