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ウェンナン先生行狀記:まほらまの南京生活⑦
発信時間: 2009-07-10 | チャイナネット

◇忙しい4年生の就職活動◇

大學4年生は、就職に備えて英語の検定試験やパソコン技能試験などの資格試験を受ける人が多い。加えて、內定した職場で“実習”と稱して多くの場合、無給で働かなければならない。こうなると通常の授業の出席もままならない。差し迫った就職活動に有利になることを優先させなければならない。卒論完成まではまだ5カ月あまりある。12月に入ってから、いつものレストランで卒論の進捗狀況を訊いた。毎回、食事代のことが気になるようなので、「今日は私が“東家”です」と、はじめに宣言した。

就職活動や資格試験準備などで、卒論は案の定ほとんど進んでいなかった。最近の日本人に関する資料が、中國國內ではなかなか手に入らないようだ。「春節」の休みで日本に一時帰國した際、テーマに関する資料を探してくることを約束して、調べたことをどんどん字にしていくよう伝えた。

今年は1月26日が「春節」だった。中國ではこの日が元旦で、1年間で最も賑わう祭日である。解禁された花火があちこちであがり、多くの店も閉店して家族で1年のスタートをお祝いする。しかし、日本ではこの日が月曜日でもあり、新暦の元旦から1カ月近く過ぎているため、正月気分はまったくない。隣りの國全體が、正月気分に浸っているとはとても思えないほど靜かだ。新宿、神田を回り「定年後の生活スタイル」「日本人の労働意識」に関する本を何冊か購入した。

2月中旬、後期授業が始まって1週間。レストランに2人を呼んだ。論文はあまり進んでいなかった。日本で購入した本と資料を渡し、3月中には書き上げ、4月を清書期間として計畫的に進めるよう促した。成田空港で買ったお菓子のお土産は男子學生も含め、4年生全員で食べるよう手渡した。

「先生、ありがとうございました。今日の食事代は私たちが払います」

「君たちが就職して給料をもらったらご馳走してもらうよ。今日は私がご馳走するよ」2人は就職もほぼ決まって、実習をしている。朝から夕方まで正規の職員と同じように毎日勤務している。內定した職場で実習をしないと採用にも影響するのだという。実習を終えたら論文執筆に集中するよう督促した。

◇若葉のような學生の炭酸同化作用◇

毎年春に先駆けて一番に羽化する中華虎鳳蝶(チュウゴクギフチョウ)が、今年、紫金山では例年より半月以上も早く出現する暖冬だった。紫金山ふもとにある梅花山の梅花祭りも終わり、大學構內にある桜の花も散り始めた。市內街路樹の新芽が日に日に膨らんできた。新芽は市內全體を色濃く染めて滴る。南京はこの時季、草花や木々、昆蟲や鳥たちが活発に動き出す。

毎年、この新芽の蘇りを見るたびに、生命の力強さに勇気付けられる。この新芽がやがて1枚の若葉となり、炭酸同化作用で大気に酸素を吐き出し、根に栄養分を送り樹木全體を成長させる。それは若い學生1人ひとりが、卒業後、地域や國の発展を促す力になるのにも似ている。學生の炭酸同化作用を促すために、教師の立場にある私は、太陽エネルギーにはなれなくとも、二酸化炭素ぐらいの役目を果たしているだろうかと考えた。

2人の論文は5月初めまでには完成した。序論、結論部分を関連付けて書き直すこと、目次の割り振りを手直しするよう指示して、最終稿とした。

卒論の審査會は5月中旬に行われた。學生は7人から8人、3組に分かれ1人5分程度、論文の內容を説明する。各組の先生は4人。私は擔當した學生とともに3組になった。

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