菅直人首相を代表とする新內閣の閣僚名簿が6月8日に発表され、國土交通相に前原誠司氏、外相に岡田克也氏が留任し、行政刷新擔當相に蓮舫氏を起用するなど新たな顔ぶれが登場した。
「新しいボトルに古い酒」
新內閣の17人の閣僚のうち、11人が鳩山內閣からの再任となる。國際政治評論家は、これは菅直人政府が安定の中での変化という政策を採り、鳩山內閣で実施できなかった多くの政策を引き継ぎ、これを基礎とし國內外の情勢に合わせて調整を行うことを意味している。鳩山政権はわずか8カ月だったが、多くの政策が実施中または実施に取り掛かっている狀態で、すべてを放棄し最初から行えば、新たな混亂を招くことになりかねない。
低迷中の経済について、菅首相は、財政再建は新政府の最大の課題だとし、政黨を超えた討論を行うことを強調した。
「財政狀況が厳しい狀況にある中で、大膽な措置を採ってはいけない。経済成長を実現するには財政健全化は欠かせない」と、菅首相は述べた。
また、財政狀況が悪化した原因は稅金が上げられないからで、どうすれば日本の財政のバランスを取り戻せるかを両黨は共同で討論する必要があるとし、「現在の支出を維持すれば、日本の公的債務の対GDP比は200%を超える。経済成長、財政再建、社會保障制度改革を一體で取り組むことを內閣の最重要目標とする」と述べた。
中國に重視
菅首相は記者會見で、日米関係に重視し、日米関係が日本の外交と利益の基軸であることを強調した。日本メディアは菅首相が中國を訪問することを伝えたが、菅首相はこれを見送った。それは米國を恐れたためとの見方もある。しかしあるアナリストは、菅首相は人事調整において、今後の外交で中國に重點を置く意思を示していると考える。菅首相は就任後、鳩山政権が打ち出した東アジア共同體構想を引き継ぎ、組閣メンバーが最終決定する前に、中國のビジネスを熟知した伊藤忠商事の丹羽宇一郎相談役を次期駐中國大使に起用する方針を固めた。丹羽氏は対中輸出を得意とし、食糧や繊維分野などの中國企業と提攜したこともある。仙谷由人官房長官も、対中関係で大きな情報量と人脈があると丹羽氏を稱えている。
日本メディアは、菅首相が丹羽氏を次期駐中國大使に推薦したことは、対中外交への重視の最初の措置であると報じた。そのほか、華僑系の蓮舫氏が行政刷新擔當相に就任したことについて、國民の70%近くが賛成している。アナリストは、中國語を理解し、中國を熟知している蓮舫氏が中日両國の官僚の交流と理解に貢獻することは間違いないと見ている。
しかし、中日交流の強化を主張し、関係発展に大きな貢獻をした小沢一郎前幹事長と比べ、新任の枝野幸男?民主黨幹事長はそれほど友好的でないようだ。枝野幹事長は政治において中國への強硬な態度を主張している。アナリストは、中日の友好は両國の共同利益と合致し、菅政権がアジアに重視し、中國に重視する態度に影響を受け、発生しうる個別問題は両國の友好関係に影響しないと予想する。
日本の好意的な態度に対し、中國外交部の秦剛報道官は記者會見で、「中國は日本の菅新首相が対中関係に重視していることに感心している。日本との共同努力で、中日の戦略的互恵関係が引き続き発展し、世代友好、互恵?ウィンウィン、共同発展を実現することを期待している」と述べた。また秦剛報道官によると、國務院の溫家寶総理は菅首相に祝電を送り、「中日関係が健全で安定かつ持続的に発展することを望んでいる。これは両國國民の根本的な利益と合致し、同地域の根本的な利益とも合致する」と述べた。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2010年6月9日