「衣」について言うと、日本の現在の物価は世界中で最高だが、國內で報道しているような「高くて登れない」レベルではない。たとえば日本の普通の衣料専門店でTシャツを一枚買ったとしよう。日本以外の國の製造であれば値段は500円から千円の間で、日本製ならば1500円から二千円程度である。これは月収の0.1~0.7%で、冬用の外套なら一萬から二萬円(二萬円の冬用衣料は間違いなく高級品)、月収の3~6%となる。
中國では専門店のTシャツは通常50元から時には100元以上だが、月収を300人民元として計算すると、月収の0.15~0.33%となり、日本の1.5倍である。冬物の外套は200~300元で(普通のブランド品と仮定)月収の5~10%となり、日本の倍近くである。中國では西洋式の服裝一式は千ならぬ萬元単位の費用が必要となり、これは理解できないと同時に驚きでもある。
「食」については、皆が日本は食費が高いと言う。絶対費用で言うと確かに日本はモノが高いのだが、月収を基礎とした比率で言うと中國の大都市と比較してそう高いという事にはならない。
再度東京と北京、上海を比較してみよう。一家三人の家庭では毎月の家庭の食費が5萬円~8萬円程度で、その家庭の男性の収入の16~26%程度である。注意が必要なのはこれは日本の男性の最低賃金レベルの話で、月収で30萬円程度である。厚生労働省の統計では日本の2006年の企業の平均月収は40~50萬円以上となっており、ここでの統計の取り方は厚生年金、國民年金、國民健康保険等の保険料及び月毎の稅金を控除した上での保守的な數字である。
中國での狀況はどうだろうか。一家三人の家庭の毎月の食費は少ないと400~600元の間で、更に少ないかも知れない。それで300~500元で計算する事にしょう。毎日10~15元の食費を支出すると仮定するとかなり安くなる。ただ、これでも月収3000元の10~16%となるので日本に比較して5~6%低いにすぎない。ここでは日本と中國の月毎の食費は最低レベルで計算をしている。
しかも日本人は大変倹約意識が高く、テレビではしばしば以下のような番組を見る: 數人に一萬円づつ渡して彼らに一萬円で一ヶ月を過ごさせて、最終的に殘したお金の最も多い人が勝ち、になる。この番組では皆が一萬円で一ヶ月生活して通常三千円以上を殘す。多い人は一ヶ月3000円使うだけの者もいる。これは人民元で200元程度である。日本人は外で酒を飲む時、通常一萬から二萬円を使うが、これで充分な飲み食いができる。これは中國の月収レベルで言うと100~200人民元に相當する。ところが中國人が外で酒を飲む時は通常200~300元は使うから、私の印象では日本より多く使っている事になる。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2010年6月10日