広島と長崎は毎年8月、原爆で犠牲になった人たちの霊を慰め、平和を祈念する式典を開いている。今年は65回目の開催となった。今回の式典がこれまでと違っていたのは、広島の平和式典に、政権を執った民主黨のトップ、米國駐日大使、國連事務総長が初めて出席したことで、新しい顔ぶれや話題でメディアの注目を集めた。
「二枚舌と言われてもやむを得ない」
菅直人首相は長崎の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典のあとに行われた記者會見で、日本は憲法を守り、非核三原則を堅持すると述べたが、その法制化については「私なりに検討してみたいと思っている」と述べ、國內外が知っている非核三原則は、日本の重要な政策だと考えていると述べた。
菅直人首相のこうした態度に、広島県原爆被害者団體協議會(広島県被団協)の坪井直理事長は「二枚舌と言われてもやむを得ない」と話す。日本の世論は、民主黨は核軍縮問題に関して自民黨より積極的だが、首相のこの態度には失望している。これは日本の核兵器問題にある「ねじれ」である。
米國の原子爆弾を受けた日本は今、米國の核の傘下で守られている
今年の広島の平和祈念式典には、米國のルース駐日大使が出席した。米國の駐日大使がこの式典に出席するのはこれが初めてだ。
生中継の映像にはルース大使が何度も映し出され、ルース大使の表情はずっと硬かったと日本のメディアは報道した。またルース大使は、初めて広島平和祈念式典に出席したイギリス、フランスの代表と違い、式典終了後は一切メディアの取材を受けず、ほかのイベントにも出席することもなく広島を後にした。また日本のメディアは、ルース大使は長崎の式典には出席しなかったとも指摘している。