どんなに景気が悪くても、日本人の「バレンタインデー熱」は冷めることを知らない。ただ、他の國と違うのは、「女性は燃えているが、男性は冷めている」というところである。日本のバレンタインデーは、女性が男性に贈るのが一般的である。今どきの女性會社員は、好きな男性に愛のある本命チョコを贈るのはもちろんのこと、會社の上司や男性社員のご機嫌を取るために義理チョコを贈り、気配りを忘れないのだ。
百貨店のバレンタイン商戦は凄まじいもので、豊富な品揃えと綺麗なラッピングが目を引く。高級チョコレートもこだわりの品ぞろいだ。2月14日のバレンタインデーが近づくと、高級店が立ち並ぶ東京銀座にある百貨店の、バレンタインチョコ特設コーナーは、連日、20~30歳代の女性客で溢れている。ある20代女性會社員などは、フランスブランドのチョコを気に入るなり、一気に10箱まとめ買いし、12000円ほど(約947元)つぎ込んでいた。記者はこの光景を見て、この女性はきっと浮気っぽくて、彼氏が山ほどいるのだと思わずにはいられなかった。
あとから、この女性に話を聞いて、初めて事の真相がわかった。あの10何個のチョコは會社の同僚と上司にあげるために買ったものだそうだ。「日本でバレンタインデーは、戀人たちだけのためにあるのではなく、職場の男性社員との人間関係を円滑にしていくためのイベントでもある」と彼女は話してくれた。
また、隣にいた彼女の女友達は「いつ切られるか分からない今のこの時代、女性が職場で生き抜くのは簡単なことじゃない。人間関係を良くするためには、絶対手を抜いてはいけない」と訴えている。
しかし、時事通信社はこのようなバレンタインデーの狀況を、楽観視していなかった。調べによると、女性のバレンタイン熱は貰う側にとっては、冷や汗ものであるようだ。禮儀や建前を大事にする日本では、バレンタインデーに貰ったら、1カ月後のホワイトデーには必ずお返しをしなくてはいけない。今年の調査で「一番怖いバレタインデーのプレゼントは何か」と聞いたときに、「女性の同僚が配っている義理チョコだ。まるで招待狀でも配るみたいに」と答えた男性は多い。この不景気の中で、「義理」の數が多ければ多いほど、財布にかかる負擔は大きくなって、とても耐えられないのだ。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2010年8月16日