◇黨內の不和激化の可能性
民主黨內には、「反小沢派」と「親小沢派」の2大陣営がある。そして奇しくも、野田氏が今回更迭した一川保夫、山岡賢次両氏は共に「親小沢派」で、重用した岡田氏は「反小沢派」の重量級の人物だ。アナリストは、今回の內閣改造で「親小沢派」の不満が噴き出し、再び民主黨內の不和を誘発するかもしれないと指摘している。
野田氏は昨年、新內閣と民主黨の新指導部を選ぶとき、黨內融和の維持に努め、「新小沢派」の一川保夫、山岡賢次両氏を閣僚に起用し、「新小沢派」の輿石東氏を民主黨幹事長に任用して、前任者の菅直人氏が進めた「脫小沢路線」にピリオドを打った。それは民主黨元幹事長の小沢一郎氏に評価され、黨內矛盾も一時解消された。だが「新小沢派」を斥け、「反小沢派」を使った今回の措置で再び民主黨の黨內矛盾が誘発されるのは避けられない。
ここで觸れておくべきは、岡田氏が民主黨幹事長當時、「政治資金規正法」に違反する共謀罪の容疑で強制起訴を受けた小沢氏に対し、黨員資格停止の処分を決定したことである。そこで、11日岡田氏の副総理就任のうわさがながれると、「親小沢派」はさっそく、岡田氏の起用は黨內の亀裂を深めるだけだとの態度を表明した。
実際にはこれより先、野田氏が消費稅率引き上げを強く主張したことで、民主黨內には不協和音が生じていた。2011年12月、民主黨の衆議院議員9人が消費稅引き上げに反対して離黨し、新黨「きづな」を結成した。彼らは、野田政権が消費稅引き上げをはかることは、民主黨の2009年衆議院選挙における「消費稅引き上げ問題は4年間提起しない」というマニフェストに違反しているとした。小沢氏も消費稅引き上げに反対だった。
日本の世論は、岡田氏を任用した野田氏の動機は、その力を借りて黨內の消費稅引き上げ反対の意見をしずめ、社會保障?稅制一體改革実現のための基礎を築くことだったが、それが裏目に出て、黨內の団結を壊すかもしれず、はては政権基盤を揺るがすかもしれないと指摘している。
◇難しい野黨の支持獲得