中國と少數の國との間で起きている南沙諸島めぐる係爭は、中國とASEAN諸國の間の問題ではなく、同盟関係の大局に影響を及ぼすものでもない。現在、南中國海の情勢は安定を見せており、中國と関係各國は問題解決に向けた努力を続けている。一部の國は道理を無視し、潮流に逆らう行動を取っているが、多數の國から支持を得ることはなく、その目的を達成することもない。
安倍首相はシンガポールとマレーシア、フィリピンを訪れたが、その主な目的は金融分野での協力と東南アジアを巻き込んだ中國勃興の抑制にある。日本とフィリピンは周辺海域で中國に対処する「軸」となりつつあり、安倍氏はフィリピンを巻き込んで中國を牽制して、さらには米國の「アジア回帰」政策に積極的に協力し地域の不安定要素を作り出している。しかし、「日菲の軸」が発揮できる戦略的役割には限りがある。
日本は今政治大國、軍事大國になることを模索している。対外的には米國との同盟関係強化と、中國と領土係爭にある東南アジア諸國との関係強化を図り、中國の周辺國家を巻き込み対中戦線を構築して中國包囲網の形成を企てている。また、積極的に軍備を拡大し、頻繁に軍事演習を行い、アジア太平洋地域の安全情勢を脅かしている。
中國は平和的発展、互恵互利の解放戦略を堅持している。中國は隣國に善意をもって接し、隣國をパートナーとする近隣外交方針を終始一貫して堅持し、周辺國との関係発展を優先し、自國の発展の恩恵が周辺國家に及ぶよう努めている。そしてASEAN諸國との外交を最重要かつ最優先の地域と定めている。
ASEAN諸國と中日韓(10+3)は東アジアの地域協力の主軸として、東アジア経済統合の堅実な下支えとなっており、10+3の役割を十分に発揮させていくべきである。メカニズムの構築も各分野の協力も、いずれも良好な基礎を有しており、10+3の協力の優位性をさらに発揮し、東アジア統合のプロセスを加速させなければならない。北東アジアと東南アジアの2つのサブ地域が強く結びついてこそ、真の意味での東アジアの地域協力が実現できるのである。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2013年9月1日