ところがロシアに接近するのは容易なことではない。日本とロシアの北方領土をめぐる問題は明確な結論が出ていない。ロシアはこの問題で日本にいかなる譲歩もしないだろう。そのため日本がロシアと満足のいく関係を築くのはかなり難しい。一方、ロシアと米國の関係はあまりよくない。特にウクライナ危機で米ロ関係は冷え込んだ。日本がロシアに接近すれば、米國の反感を買い、米國を怒らせるに違いない。
ではなぜこれほど難しい関係でも日本政府は危険な綱渡りをしようとするのか?それにはまったく道理がないわけではない。その理由は、金融危機の勃発後、米國は景気が後退し、その國際的地位や影響力に陰りが見え始め、以前のように武力で他國の內政に関與するのは不可能となった。一方、依然として超大國、特に軍事的に超大國のロシア。クリミア獨立をロシアが支持することにいかに不満でも、米國がロシアと戦爭することはあり得ない。せいぜい経済面で制裁措置を加えるくらいだ。こうした狀況が日本政府に綱渡りの可能性を與えている。その可能性は非常に小さいが、少なくとも可能性はある。これで安倍首相が面従腹背の手段を取っていることもよく理解できる。
クリミアの住民投票の結果を認めないという日本政府の態度表明が米國の強制によるものであることは誰もが知っているが、強制でも、內心からでも態度を公に表明した以上、米國側についたに等しく、ロシアの機嫌を損ねるのは回避できない。今後さらに日本が米歐と一緒になってロシアに制裁を加えれば、安倍首相のこれまでの努力はすべて水の泡になる。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2014年3月21日