安倍首相の態度をいかに理解すべきか
安倍首相は近年、第二次大戦の歴史認識の問題について大きなひずみをあらわにしている。今年5月の國會での黨首討論では、ポツダム宣言の全文について「つまびらかではない」と開き直り、人々をあ然とさせた。
「ポツダム宣言は、日本の戦後の新たなスタートを象徴している。これに知らないふりを決め込み、『終戦』という言葉で『無條件降伏』の事実を置き換える安倍首相の発言は、歴史の責任を引き受けることを拒み、戦爭に下された判斷を拒むものだ」と高副所長は指摘する。「日本國內の政治構造の角度から言っても、完全な憲法違反が見られる」
喬副教授も、「戦爭の侵略性を認めず、戦爭が間違ったものであったことさえも認めないというのは、安倍首相の一貫した歴史認識であり、最近になって偶然に形成されたものではない」と指摘する。安倍首相がかつて打ち出した「侵略の定義は定まっていない」という説は、1974年の第29回國連総會における「侵略の定義に関する決議」と完全に矛盾している。2010年6月に改定された「ローマ規程」も、侵略の罪に対してさらに定義を加えている。これを認めないというのは安倍首相の願望にすぎない。
日本はなぜ歴史をこうも否定しようとするのか。王教授は、「日本國內の『現実主義』という文化的な伝統、庶民の『被害者』という意識、國內の右翼勢力の支持などと関係している」と指摘する。「戦前の行為について日本が細かく吟味していないことや、『死者の責任は問わない』という価値観は、間違った歴史認識が伸長する原因となっている」