英フィナンシャル?タイムズは17日、地政學の眼鏡をかけてドゥテルテ大統領の今回の訪問を観察し、「フィリピンのドゥテルテ大統領が今週、中國と日本を訪問し會談を行う。その反米的な発言が、アジアの海域の安全の根本的な再編を引き起こすかが明らかになる。ドゥテルテ大統領の中國寄りの約束は、現時點では日本で小さな懸念を引き起こすにとどまっている。日本はドゥテルテ大統領の、今回の外遊の2番目の目的地だ。フィリピンがこのように政策を変えれば、日本の戦略的利益が最大の脅威にさらされる。日本はフィリピンを最も重要な戦略的支柱としており、経済?貿易協力を強化している。中國との間に海上領土問題を抱えていることから、日本は地域內の各國と共同戦線を維持しようとしている」と伝えた。
ウォール?ストリート?ジャーナルは、ドゥテルテ氏への恨みを隠そうとしていない。同紙は17日、「2012年の黃巖島事件後、米國とフィリピンは新たな協定に調印し、多くの米軍がフィリピンに進出した。しかしドゥテルテ大統領(71)の就任からわずか100日にして、この長期的な関係に揺らぎが生じている。米國の権威を損ね、中國に対抗しアジア太平洋を主導しようとする米國の努力を損ねてもいる。ドゥテルテ大統領は、東南アジアの微妙な地政學を覆そうとしている」と報じた。日本経済新聞は同日、ドゥテルテ大統領と中國の習近平國家主席は19日に北京で握手し、東南アジアの政治の未來を再構築すると報じた。
米ビジネスニュースサイト「クオーツ」は「ドゥテルテ大統領の中國への歩み寄りは、フィリピンだけではなく東南アジア全體にとっても重大な変化だ。ドゥテルテ大統領が米國から中國人の陣営に移り、多くの國が不意を突かれた。例えば経済的に中國の深い影響を受けているシンガポールは、仲裁裁判の後に仲裁結果を遵守するよう呼びかけた。ドゥテルテ大統領は、米國との同盟を捨て、中ロと新たな同盟を築くと発言したことがある。これはアキノ政権と比べると非常に大きな転向であり、口先だけにとどまっても短期的には大きな影響力を持つ。最も直接的な結果は、法的爭いを口実に軍事的存在を強化しようとする米國の計畫を、ドゥテルテ大統領が一手で破壊したことだ。オバマ大統領は仲裁裁判所の結果を利用し、中國に圧力をかけ遵守を強いるよう國際社會に呼びかけている。ところがドゥテルテ大統領の180度の急な転向により、オバマ大統領はASEAN首脳會議で孤立したように見えた」と報じた。
比デ?ラ?サール大學教授(政治學)は16日、米メディアの取材に応じた際に、「EUの職員から、仲裁を申し立てた國が突如まったく異なる立場を表明した以上、我々が強硬な立場を取る必要はないと言われた」と述べた。
米國はフィリピンの転向に対して、どうすることもできないようだ。ニューヨーク?タイムズの記事は、「フィリピン現政権は話にならない」という考えをほのめかしている。同紙は13日の記事で「ドゥテルテ大統領は海外で蔑視されているが、國內では人気がある。多くのフィリピン人にとって、ドゥテルテ大統領の感情の暴発は粗野で無禮だが、恐れを知らず意欲的に行動する象徴でもある。フィリピン人は、これまでの弱気のリーダーが、暴力犯罪、麻薬使用、インフラ不足、貧困蔓延を招いたと考えている。9月末の世論調査によると、フィリピン人の83%がドゥテルテ大統領を信頼すると回答した」と伝えた。
?中國網日本語版(チャイナネット)? 2016年10月19日