日ロ関係は11月に入り、急に熱を増した。訪露中の世耕弘成経済産業相は3日、ロシアエネルギー省、経済発展省の代表者と會談した。共同通信の情報によると、雙方はプーチン大統領が12月に訪日するまで、約30件の協力を優先的に具體化させることで合意した。
フィナンシャル?タイムズはロシア當局者の話として、「日本は技術輸入の優先的なパートナーだ。またロシアはこの東洋の隣國を、自國の農業?漁業製品の潛在的な市場と見ている。日ロ経済協力が一時、大きく前進したかに見える」と報じた。
外交學院國際関係研究所の周永生教授は「日本が経済協力を推進しようとするのは、ロシアにうま味を與え、日本の経済力を見せつけることで、南クリル諸島(北方四島)問題で譲歩を迫るためだ。これにより北方領土問題を一挙解決し、平和條約の締結に踏み切る」と指摘した。
経済協力の裏にある領土は、日ロが長年注目してきたテーマだ。長年の議論を経て、雙方は一定の譲歩を示している。日本経済新聞は、「四島の帰屬問題の解決後に平和條約を締結するのが、日本政府の基本方針だ。四島が日本に帰屬することを確認すれば良く、実際の返還時期や形式については柔軟に対応する」と報じた。
中國社會科學院日本研究所外交研究室の呂耀東主任は「領土問題で、ロシアは先に平和條約について交渉しようとしており、平和條約の締結と南クリル諸島問題を関連づけていない。ロシアは、歯舞諸島と色丹島を返還するとした1956年の日ソ共同宣言の有効性を認めているが、國後?択捉両島の返還を認めない方針を変えていない」と述べた。
共同通信によると、今回の高官相互訪問には、プーチン大統領の12月の訪日に向け地ならしをする狙いがあった。呂氏は「プーチン大統領の訪日に向け、日本は昨年より取り組みを開始した」と話した。
プーチン大統領の12月の訪日は、日本側が重視する訪問になる。岸田文雄外相は、プーチン大統領の訪日により、領土問題の調整などに実り多き成果をもたらすことができるよう、取り組みを続けると強調した。しかし周氏は、日本側は過度に期待すれば失望することになると指摘した。
先ほど訪日したマトヴィエンコ?ロシア連邦連邦院議長は「南クリル諸島の主権に係爭は存在しない。しかし平和條約問題の締結で、雙方が受け入れ可能な妥協策を見出していく」と強調した。
ロシア?スプートニクは「プーチン大統領は取材に応じた際に、日ロ関係は中ロ関係の水準に達していないと述べた。これは日本がさらに経済協力を拡大する必要性をほのめかしている」と報じた。
ロシアが難題をふっかけ、日本が財布の紐を緩め続けることになりそうだ。
呂氏は「ロシアは経済的に大きな利益を手にしなければ、領土問題解決に向け一歩を踏み出すかを決定しない。ロシアは領土問題で容易に妥協しない。これは日ロ両國に長期的につきまとう問題だ」と指摘した。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2016年11月9日