「日本経済新聞」は10月8日、「膨張するシェア自転車業界からみる、いまだ活力あふれる中國経済」と題した記事を掲載した。中國で大量のシェア自転車が都市の歩道に溢れる現象は、管理の難しい、頭の痛い問題を示すと同時に、中國経済の活力を示すものだとしている。
シェア自転車は昨年、中國で爆発的に広まった。70社近くによる、1600萬臺以上の自転車が街に置かれた。いま地方政府は、同業界の急速な発展を抑制するための措置に追われている。
中國に注目する人々なら誰でもこのモデルをよく知っている。あるビジネスチャンスが出現すると、企業や投資家がこぞって投資する。その結果、業界のバランスが失われるという流れだ。不動産業や鉄鋼業などが歩んできた道でもある。しかし詳しく研究してみると、現在のシェア自転車の流行はこのモデルとは異なる。SMBC日興証券のシニアエコノミストである肖敏捷氏は、「我々は、過度な投資によって利益を出せなくなり、ゾンビ企業になってしまうケースを見てきた」とした上で、「しかしシェア自転車業界は、競爭できない企業は徹底的に締め出されている」と指摘する。民間企業が主導的地位を占める経済國では、これは正常な現象である。しかし中國では、これは自由市場の影響力を示すと共に、同國が経済的活力にあふれていることを示す現象であるというのだ。
同氏は、「中國人はビジネスコンセプトに飢えている」と話す。これはまさに、新たなビジネスチャンスに投資家が群がる原因だ。起業家は、シェア自転車のような業界にも喜んでリスクを引き受け參入する。彼らは競爭に敗れて市場から駆逐される可能性についても熟知している。退場を強いられた起業家もいる。しかし、ニューカマーの起業精神は評価されるべきだ。彼らの軽率さを批判すべきではない。
日本などの國では規制緩和することで新たなチャンスを作りだそうとしている。一方で中國は、新興産業に規制をかけようとしている。しかし、その目的は産業の抑え込みではなく、企業が健康的に順調に発展していくための規則を作ることにある。中國の経済成長が減速するにしたがい、このような活発な起業文化は極めて重要なバッファーとなる。次の経済段階へソフトランディングするための有効な手段となるのだ(執筆者:吉田忠則)。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月10日