米國の政策決定
米國の政策決定は米日豪印に影響を與えるだけでなく、米國のアジア戦略全體に影響を與える。新たな「インド太平洋戦略」は経済的な柱を明らかに欠いており、経済や貿(mào)易については內(nèi)容の乏しいスローガンがあるにすぎず、安全を主とした地域戦略と言える。
1970年代以來、アジア太平洋地域には早くから、堅固な産業(yè)チェーンや生産ネットワークの土臺が築かれていた。際立った成果はないが幅広く受け入れられたAPEC協(xié)力はこれによって支えられ、アジア太平洋自由貿(mào)易圏という長期的な奮闘目標(biāo)はこれによって支えられ、東アジア地域の経済金融協(xié)力もこれによって支えられた。だがインド太平洋にこうした條件が備わっていないことは明らかだ。
わかりやすく言えば、アジア太平洋は一つの経済圏だが、インド洋はまだこの枠に入っておらず、部外者にとどまっている。インド洋地域に幅広い発展の潛在力があるとしても、それはまだ潛在力にすぎない。アジア太平洋地域の経済協(xié)力には現(xiàn)在、方向とモデルでの爭いがある。だが筆者の見るところ、アジア太平洋をインド太平洋へと拡張するということは一見良いアイデアに見えたとしても、実際の取り組みは非常に困難なものとなる。米國は、不均衡なインド太平洋戦略を打ち出したことで、アジア太平洋地域の経済協(xié)力に対する主導(dǎo)権とリーダーとしての地位を失う可能性もある。
地域の安全體制の発展
インド太平洋戦略は安全を主とした戦略だが、現(xiàn)在のアジア太平洋、またはインド太平洋の地域の安全の重心はインド洋にはなく、東北アジアと東南アジアにある。すなわち朝鮮の核問題と南中國海の問題である。米日豪印は、この2つの問題のいずれの解決にも寄與するどころか、解決の道を狹め、トラブルを生んでさえいる。これらの地域問題を解決するには依然として、中國と米國との間の直接的な疎通が必要となる。
米日豪印は「視野狹窄」の戦略設(shè)計だと言わざるを得ない。世界隨一の力を持つ米國がこのような戦略を打ち出したことは、その衰退の兆候とも考えられる。インドの成長傾向やアジア太平洋地域の未來の発展の趨勢を考えれば、インド太平洋戦略の提出は論理的にも見える。だが日々の経験は我々に、あまり早く準(zhǔn)備をするよりも、時が迫ってから判斷した方がいいこともあると教えている。
「中國網(wǎng)日本語版(チャイナネット)」 2017年12月6日