2019年に日本では改元が行われる。4月1日、日本政府が新元號の「令和」を発表すると、國內外で熱い議論を引き起こした。5月1日には、新天皇が即位する。「令和時代」の日本がどこに向かうかは、日本國民が関心を寄せる問題であるだけでなく、國際社會が注目する焦點でもある?!傅谝回斀U日報」が伝えた。(文:王広濤?復旦大學日本研究センター副研究員。第一財経日報に掲載)
▽新元號がもたらす経済効果
昭和天皇が1989年に亡くなって日本中が悲しみに包まれた中での改元とは異なり、今回の改元は現在の明仁天皇が生前退位することによって実現するものだ。新元號は発表までに十分な準備が行われ、そして新年度の初日に発表され、日本國民は大きな期待を胸に新しい年號を迎えたといえる。
新元號の発表は國民生活に大きな不便をもたらすが、企業にとってみれば、改元特需が訪れて、一部の産業は経済効果のピークを迎えることが予想される。株式市場の動きは重要なバロメーターで、89年1月7日に昭和天皇が亡くなり、日本政府が8日に新元號の平成を発表すると、日本市場は大幅な値上がりとなった。その後、バブル経済がもたらした虛飾の繁栄もあり、89年12月29日には、日経平均株価が前人未踏の3萬8915円に達し、この記録は今も破られていない。
日本政府が今年、新元號を発表した當日、日経平均株価は前営業日比303ポイント急増して2萬1509円になった。印刷産業と関連の産業チェーンは今回の改元の最大の受益者になる見込みで、確実なのは新元號に関わる消費ブームがしばらく続くことだ。また日本政府は明仁天皇が退位する4月30日と新天皇が即位する5月1日を國民の休日とし、ゴールデンウィークと合わせて4月27日から5月6日までを10連休とし、連休の消費効果に期待を寄せている。
もちろん、新たな消費ブームや経済活性化効果はあくまで一時的なものに過ぎない。歴史が再現されることはないが、かなり似たものになる可能性はある。89年に明仁天皇が即位した時には、バブル経済の影響を受けて、日本株は上昇を続けたが、90年以降は暴落が始まり、バブルは崩壊し、不動産、銀行、証券會社が次々破産し、平成時代が日本國民に苦い記憶を殘したことは間違いない。
現在の日本株は安定上昇傾向にあるが、経済情勢には引き続き不安定要因が存在する。日本內閣府が18年末に発表したデータをみると、安倍晉三首相が就任した後、「アベノミクス」がもたらした好景気が5年近く続いたものの、日本の企業と國民には実感が乏しかった。名目國內総生産(GDP)の成長率はそれ以前と比べて上昇したが、他國を見ると、日本の成長率は経済協力開発機構(OECD)の主要加盟國を下回った。內閣府の経済データの信頼性が揺らぎ、日本國民の安倍政権に対する不信感が増大したことを考えると、日本の経済成長がよりどころとしてきた「アベノミクス」が國民の期待に応えることはますます難しくなっている。
▽消費稅率引き上げが日本の経済成長にダメージ
日本経済に影響を與える最大の不安定要因は今年10月に予定される消費稅率の引き上げだ。偶然なことに、明仁天皇が即位した89年、日本は初めて消費稅を導入し、當時の稅率は3%だった。日本政府は97年に初めて引き上げを行い、3%が5%になった。09年に民主黨が政権を取ると、8%への引き上げを提起し、最終的に第二次安倍政権の14年に実施された。
消費稅率引き上げは日本政府が財政赤字を補填するための受け身の手段であり、とりわけ年金の財源不足を補填するための手段だ。一般の國民からみると、消費稅率が引き上げられれば消費意欲が減退するのであり、長期的にみて消費活性化の効果を上げることは難しいといえる。日本政府は消費稅率を10%で固定することを計畫しており、安倍政権は消費稅率引き上げが政権にもたらす潛在的な影響をよくわかっている。そこで選挙のある年には引き上げを先送りしてきた。
これまでに消費稅率の10%への引き上げは2回先送りされており、安倍首相は今年10月に引き上げを行うとしているが、その前の7月には參議院選挙があり、衆議院とのダブル選挙も予想される。消費稅率の引き上げが自民黨の得票數に影響を與えるかどうかが、消費稅率の引き上げを決定する際の最大の変數になる。引き上げなければ、日本政府の財政再建計畫は順調に進まなくなる。引き上げれば、自民黨の得票數が影響を受ける。安倍首相は難しい選択を迫られている。もちろん、日本政府が今年10月に予定通り消費稅率を引き上げたとしても、20年の東京五輪がもたらす経済効果を考えると、日本経済は短期的にはそれほど大きな影響を被ることはない。ただポスト五輪時代の日本経済がどのように持続性を保つかということも、安倍政権が検討しなければならない問題だといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年4月11日