本年度のノーベル賞自然科學3賞(生理學?醫學賞、物理學賞、化學賞)に日本人が選ばれず、日本列島に失望ムードを漂わせた。新世紀に入ると、日本はノーベル賞の「受賞ラッシュ」を起こしたが、今年の冷え込みを受け日本の知識界は科學の「爆発力」について多くの考えを持つようになった。
ノーベル賞創設から半世紀弱に渡り、日本人の受賞がなかった。前世紀の約100年に渡る日本の(自然科學3賞)受賞者は6人のみだった。しかし今世紀に入ってからの19年で、日本からは18人が受賞しており(米國籍の日本人2人を含む)、「受賞ラッシュ」と呼ばれた。しかも自然科學3賞で受賞者が出た。日本人のノーベル賞受賞者數は米國に次ぐ世界2位で、アジアでは首位をキープしている。
2013年にノーベル化學賞を受賞したマイケル?レヴィット氏は、「ある基礎科學の発見が認められるまで、30?40年の時間がかかる。ノーベル賞はその國が30年前、もしくは40年前に何をしたかを教えてくれる」と述べた。1960年代の日本は高度成長期で、10年間で研究への投資総額が4倍に増加し、対GDP比が1.9%と防衛費の2倍以上にのぼった。企業と研究機関の人材の需要を満たすため、日本政府は理工學部募集拡大計畫を打ち出し、理工學部の人材を急増させた。
日本がノーベル賞をめぐる競爭で示した「爆発力」は、その知識と人材の長期的な蓄積と伝承によるものだ。科學者の揺籃である大學の貢獻を無視できない。日本の大學からのノーベル賞受賞者數は、歐米のトップクラスの大學の比ではないが、アジアではトップの地位を占めている。うち京都大學はアジア1位、東京大學は2位。京都大學だけでもノーベル賞受賞者を8人輩出しており、11人の受賞者が京都大學で客員教授になった。京都大學からトップクラスの科學者が輩出されたことには、どのような秘訣があったのだろうか。京都大學の學者は筆者に「自由な學風」「ナンバーワンよりオンリーワン」と指摘した。京都大學のこの伝統は、ノーベル賞が奨勵する「畫期的な研究」の理念と一致するという。