3.中國のオリンピック金脈:強くても、メダル數に欠け
二度の東京五輪とソウル五輪で新設された競技種目は、10種目にのぼる(公開競技として登場し、その後正式競技種目になったものを含む)。この10種目すなわち柔道、バレーボール、卓球、バドミントン、テコンドー、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィン、空手、野球?ソフトボールのほとんどは、アジア人の身體能力に適した競技種目である。
実は、こうした競技種目は中國の金メダル獲得にも多大な貢獻を果たした。今回の東京五輪大會で、中國はこの10種目で金メダル6枚、銀メダル8枚、銅メダル2枚を獲得した。
とりわけ中國は卓球で4枚、バドミントンで2枚の金メダルを奪った。これは、この2つの競技種目の金メダル數の、各々五分の四、五分の二に當たる。
これまでの五輪大會で、中國は卓球で累計32枚の金メダルを獲得した。これは同競技種目の金メダル數の86%を占めている。バドミントンでは中國は合計20枚金メダルを獲得し、これは同競技種目の金メダル數の51%を占めた。卓球とバドミントンの両競技種目は圧倒的優位で、中國金メダルの大鉱脈となった。
しかし、金メダル數からすると、この二競技種目で獲得できる枚數はなかなか増えていない。その理由は、卓球がソウル五輪以來、金メダル數は4枚に止まり、2020年東京大會でようやく5枚となったことにある。
バドミントンも、1992年バルセロナ五輪で正式種目となり、4枚の金メダルを據え、1996年アトランタ五輪でバドミントンの金メダル數は5枚になったものの、その後金メダル數に変化はない。
卓球とバドミントンの金メダル數は、柔道のように當初の4枚から現在の15枚へと大金脈に発展するような展開にはなっていない。
それにも関わらず、中國のこれまでの五輪での金メダル獲得総數の中で卓球は、水泳、ウエイトリフティング、體操に次いで第4位の競技種目である。バドミントンも同第6位の種目となっている。
上記の分析から、強い競技種目における金メダル數を如何に増やしていくかについても、オリンピック金メダル攻防戦における一つ重要な課題であることが分かる。