少林寺についてはこのところ、悪いニュースもあれば良いニュースもある。悪いニュースとは、少林寺の商業化路線におけるひとつの挫折であった。國家商標評価審査委員會は先月末、「消費者に対して薬品的効果があると誤解されやすい」として、インスタントラーメン、コーヒーなどの商品について「少林寺薬局」の商標出願を卻下した。良いニュースとは、少林薬局病院がついに認可されたことだ。少林寺の薬局病院の開設は大きな突破口を開いた。
今回認可された少林薬局病院は、少林寺から3キロ離れた太室山の麓に建設される。敷地面積およそ9ヘクタール、約200床のベッドを備える。
「少林寺が病院を建設する目的は禪醫薬文化を広めることです」。少林寺監督院、少林薬局責任者を務める釋延琳?法師は語る。禪、武、醫は少林文化の3本の重要な柱であり、今では少林寺拳法は全世界で知られ、禪を修行している人もいるが、少林醫薬文化はさほど知られていない。
文獻によると、少林の醫薬文化の起源は唐代にさかのぼる。金代末から元代初期にかけて少林寺は薬局を開設、製薬、製剤、診斷、針灸など十數項目にわたる完全な「研究體制」を構築、明代には少林寺の醫薬文化は最盛期を迎えた。
釋延琳?法師によると、少林寺が今回病院を開設する狙いは薬の販売ではない。営業時間のほとんどは、醫師が患者に対して疾病予防の方法と治療の理念のほか、ささいな病への対処方法についても伝授し、薬を使用しない治療で治癒しない場合初めて、醫師は患者への処方を行い、最低限の費用だけを請求する。「処方だけで、販売はしない方針です。患者さんには処方箋を持って薬局に行っていただきます」。
少林薬局病院は診察料を全額無料とするほか、針灸、ツボ治療、マッサージも無料とする計畫。一部の薬品、とりわけ少林薬局が開発した薬品についても無料提供される。一部の原価が比較的高い薬品については若干の費用を徴収する。「私たちにもコストがかかります。中央政府のように全額無償というわけにはいきません。政府は潤沢ですから」釋延琳?法師は述べる。
少林薬局病院は少林寺が世俗化し商業化路線を歩む一歩といえる。これまでにも様々な商業化の試みにより、少林寺は幾度となく世論の荒波にもまれてきた。
少林寺の知名度が上がるにつれ、類似「ブランド」が次々に出現した。これはまさしく少林寺ブランドに対する注目であり、少林寺の釋永信?方丈は1997年、中國仏教界初の企業、河南少林実業発展有限公司を設立した。同公司は「少林」、「少林寺」ブランド価値の保持?向上の保障を核心任務としており、これまでに45種、200以上の商標の登録証書を取得している。
「人民網日本語版」2010年5月17日