北京、上海、広州などの一線都市で、數年間がんばって戦った後、更なる発展を求めて、二線?三線都市(地方都市)に拠點を移している若者が少なくない。今、世間で言われている「北京、上海、広州脫出」とはこのことである。このような人々はまだそこまで多くはないが、中國の長年におよぶ人材流動傾向である「北京、上海、広州進出」に匹敵する目新しい勢力になり始めている。
地方から來た人にとって、大都市での生活は日々厳しくなっていく
今年5月、北京で5年間奮闘してきた呉彩瓊さんは武漢で家を購入した。彼女は既に辭職しており、新居の內裝に取り掛かっている。夫の労働契約が上半期一杯で満期なので、それを期に、生活の拠點を武漢に移すつもりだ。
呉さんは事細かに北京を離れて武漢に移ろうと思った理由を話してくれた。
夫と3年前に結婚した呉さんたちは、そろそろ家を買って、子どもを儲けたいと考え始めていた。ここ數年で50萬元(人民元)を貯め、雙方の両親からの結婚資金20萬元も殘して有るので、手元には合わせて、70萬元の貯金が有る。70萬元と聞いて、少ないと感じる人はいないだろう。しかし、実際のところ、その程度では、せいぜい三環路で1LDK、四環路付近で2LDKを買う頭金ぐらいにしかならないのである。頭金以外に、毎月のローンも払わないといけなくなるので、呉さんはそれでは生活がもたないと思っていた。また、子どもが出來たら、両親の手を借りざるを得なくなる。一緒に住むとなると、家も狹く感じるだろうし、もし両親の手を借りずに子どもの面倒を見るとしたら、仕事に影響が出て、収入が減ることは目に見えている。
もっと先のことまで考えれば、夫婦とも北京の戸籍を持っていないので、子どもを將來、幼稚園や學校に通わせる時、間違いなく困難が生じる。呉さんが方々から聞いた情報によれば、北京の正式な戸籍を持ってない人が、子どもをそこそこの幼稚園や小學校に通わせようとするなら、學費以外に3萬元以上の賛助金を払うのが當たり前だそうだ。
「地方から出てきた私たちのような移民が大都市で生活をしていくのは難しくなる一方だ。あなたが他の人よりも確実に、際立った仕事能力があって、お金も十分にあるのなら話は別だけれど???」と呉さんは言う。
北京に比べると、武漢の不動産価格はまだそれほど高騰してはいない。70萬元あれば、武昌市の賑やかな中心地區である「光谷」でなかなかいい2LDKを買うことが出來る。武漢は呉さんの故郷でもあり、両親が近くにいるので、子どもの世話もしやすい。だから、夫が、年始にヘッドハンティング會社で、武漢の會社を紹介されたとき、呉さんは全く躊躇することなく、転職を支持した。「都市で奮闘してきたけど、今は故郷にも戻ってゆったり暮らしたい」と言うのが、今の彼女の思いなのだ。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2010年8月2日