終わったばかりの春節(舊正月)連休…手にカメラを持ち、シャッターをカシャカシャ押し、その都度「チーズ」と叫ぶ観光客の様子が、どの行楽地でも見られた。観光地の代表的風景や有名人の記念碑の前では、例外なくシャッターを押す。記念寫真を撮ることが大好きな中國人の姿が、「旅行好き」な面に良く現れている。生命時報が伝えた。
ある人は、「観光スポットの人気度は、寫真を撮るために並んでいる中國人の數だけで判斷できる」と指摘した。しかし、寫真を撮っていてバスに戻る時間に遅れる人、撮影につい夢中になり飲まず食わず狀態の人、観光ガイドが制止しても危険な場所で撮影する人など、撮影好きが高じて生じる面倒も少なくない。
しかし記念寫真からは、中國人がより裕福になったことによる微妙な心理的変化も見て取れる。以前は、北京や上海などの大都市へ行くことは、人生の一大事であり、このような重要な歴史的イベントをカメラに収めないことなど考えられなかった。このため、普段は節約に勤しむ庶民は、このような機會が巡ってくれば、財布の紐を締め直し、時間を惜しみつつ寫真を撮る。そしてその寫真を一生の想い出として、後生大事に懐かしむ。
また、撮影した記念寫真は、我々の財産となり、他の人々と自分の経験を分かち合う大切な道具ともなる。特に、若い頃に多くの苦労を重ねた中高年の人々にとって、自分と同世代の人々と一緒に見て、自分の楽しい経験を皆と分かち合うことは、何にも勝る快楽なのだ。
しかし、寫真を撮るのは、自分の輝かしい功績を振り返り、メンツを誇示するためだという人もいる。「パリのエッフェル塔を見た」「モルジブの海で潛った」…「メンツ重視」のこのような心理から、「撮影の主體はあくまでも人で景色は背景にすぎない」という中國人獨特の撮影スタイルが確立された。