日本の歴史を紐解くと、忍者が活躍していたのは10世紀末の鎌倉時代から17世紀の江戸時代だった。忍者は大名や領主に遣え、極秘任務や破壊工作、潛入操作暗殺などを個人或いは集団で行なっていたという。忍者のほとんどは日本の各地に集団で分散しており、その中でも伊賀と甲賀の二大流派が良く知られている。動亂の世の中では、地方の村々は皆総がかりで武裝し、外敵の侵入を警戒していた。そのため、忍者は自発的に出現した武裝集団であると考える學者も後にいた。戦亂の中でスパイ工作などの必要性が高まったため、忍者は歴史の中に名を殘す特別な存在になった。

実際、忍者の活動を見ると、現代で言われているスパイと酷似している。正に映畫で見るようなスパイで、特殊な能力を持っており、日本古代の「007」とでも言ったところだろうか。一流の忍者には、もちろん一朝一夕ではなれない。日々訓練を積み重ね、強靭な身體能力をつけなければいけないのだ。速く走り、高く跳ぶだけでなく、竹筒などを用いて息を継ぎながら湖や池に身を潛める「水遁の術」も、敵から逃れる重要な手段である。そのため、忍者は呼吸方法を訓練し、肺活量を鍛えるのだ。また、山を越え、川を渡り、長距離走れるようにするため、腕を振らずに足だけで走る忍者獨自の「忍者走り」も開発されている。これは言わば、水の上で浮く中國古代の武術に似ている。

これらの術以外にも、極秘任務を遂行するために、忍者は夜の暗闇を選んで活動する事が多かった。そのため、忍者には優れた視力と洞察力が求められていた。視力を上げるために、目の周りの筋肉を鍛える訓練が行なわれ、現代で行なわれている『目のストレッチ體操』に似ている。飲食にもこだわりがあり、目に良い食べ物を多く摂るようにしていた。また、洞察力に関しては、忍者は兵法や地理に精通している必要があり、天文學についても豊富な知識が要求され、「風をよむ」力を備えてならなければいけなかった。忍者は多くが「情報」を手に入れる任務を命じられていたが、秘密裏に実行しなければならず、時間が限られ、また情報を記録する手段も乏しかったため、訓練を通して自身の記憶力を鍛えなければならなかった。自身の手などを傷つけて、記憶を印象付ける手段をとっていた忍者もいたという。

「中國網日本語版（チャイナネット）」2012年2月21日