■高尚な名聲、通俗的な仕事
日本では教員は非常に高い社會的地位があり、弁護士や醫師と同様、「先生」という敬稱で呼ばれる。また、日本は過去數十年間で絶えず教員の給與を大幅に上げてきた。入ったばかりの高校教員の初任給は同じ時期のサラリーマン社員より15%程高い。給與以外にも、日本の教員には多くの特別手當や計約5カ月分の給與に當たる年に2度のボーナスなどが支給されるほか、退職後には手厚い退職金と福利厚生が得られる。
しかしこれと同時に、日本人は、教員はこれだけ高い社會的地位を得ているからには、より高い道徳水準とより大きな仕事のプレッシャーを受けるのが當然であると考えている。
教員は授業を行う前に、教科書に書かれている內容よりもずっと多くの書き込みや分厚い授業計畫を準備しなければならず、また授業後にも詳細なまとめをレポートしなければいけない。授業中は、一人の教員が教壇に立って授業を行い、もう1人の教員は教室の後ろに座り、サポート役として教科書や文具を忘れた児童?生徒やその他の突発的な狀況への対応を行う。児童?生徒が長期休暇に入っても、教員は學校でデスクワークを行い、授業計畫の研究や研修に參加する。病欠や私用で休んだことで授業の進度に遅れが出た児童?生徒に対しては、勤務時間外でも単獨で補習を行う義務がある。また、退勤後に自主的に児童?生徒の家庭を訪問するのも教員の仕事の一部だ。さらに大変なのは、日本の中學生の授業中の規律はあまり厳しくなく、生徒たちが授業中に騒いだり、大きな聲を上げても、教員は変わらず冷靜な態度を保つことを求められる。
しかし、いくら尊敬されても、ここ近年、教員の評判は下がる一方だ。半分以上の教員は教員という職業にあまり「誇り」を感じておらず、むしろお金を稼ぐために汗水を垂らして働く普通の労働者だと認識している。