(1)國情による影響の違い
五輪経済はここ30年、世界経済の発展における一種獨特な経済現象となってきた。各國が五輪開催や招致をめぐって熱を上げるのには、人々が熱狂的なスポーツファンというだけでなく、五輪が國際的なスローガン、経済効果、公益施設の改善といった利益ももたらすからだ。北京五輪が中國経済に與える影響は短期的かつ長期的、外面的かつ表面的な作用を兼ね備え、開催年にはその外面的な勢いがピークに達し、その後経済成長の変數の改善を通じて間接的な牽引力を持続的に発揮していく見通しだ。
過去の五輪を例にとってみると、五輪はその準備期間と開催年の國民経済にとっては顕著な牽引力となるものの、五輪終了後の各國の経済発展には比較的大きな軌道の違いが見られ、五輪効果をはっきりと検証するのは難しい狀況だ。実際には各國の経済成長の変數狀況にかかってくる。各國の五輪開催前後のGDP成長率から見ると、韓國、スペイン、オーストラリアなどの國では、五輪前年および開催年のGDP成長率が大幅に増加したが、開催翌年にはその勢いが右肩下がりとなった。しかし、米國の場合、これらの國とは反対に、開催後も右肩上がりを続けている。このため、五輪の経済への促進効果は大國よりも小國に與える影響が大きく、開催後よりも開催前と開催年により効果を発揮することが分かる。
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