一 これまでの五年間の取り組みおよび十年間についての基本的総括
十七回大會いらいの五年間は、われわれが中國の特色ある社會主義の道を勇往まい進してきた五年であるとともに、さまざまな困難やリスクの試練に耐え抜いて、全面的な小康社會づくりの新たな勝利をかち取った五年である。ここ五年において、諸方面の活動はいずれも新しい重要な成果を収めた。経済は安定した比較的速い発展を遂げ、改革開放はかなり大きな進展を見せ、人民の生活レベルはいちじるしく向上し、民主?法制度の整備は新たな一歩を踏み出した。また、文化の建設は新しい段階に上がり、社會の建設は新たな進歩をかち取り、國防と軍隊の建設には新たな局面が切り開かれ、香港?澳門(マカオ)?臺灣に関わる取り組みは一段と強化され、外交活動は新たな成果を上げた。
ここ五年において、黨の建設は全面的に強化され、黨の政権擔當能力の整備と先進性の保持は引き続き推進され、思想?理論の整備は著しい効果を見せるとともに、科學的発展観の習得?実踐活動は重要な成果をかち取り、黨建設の面における改革?刷新は重要な一歩を踏み出した。黨內の民主は一段と拡大されている。幹部陣づくりにおいては重要な進捗を遂げ、人材に関わる仕事は新しい局面を切り開いた。先進組織?優秀者を志すキャンペーンと學習型の黨組織づくりが深く展開し、末端部の黨組織は絶えず強化されている。黨風刷新?廉潔政治づくりと反腐敗闘爭は新たな成果を上げた。
それと同時に、われわれの活動には依然として多くのいたらない點が存在し、前進途上にはなお少なからぬ困難や問題が橫たわっていることを冷靜に見て取らなければならない。発展におけるアンバランスや調和の欠如、持続不可能の問題が依然として際立っており、科學的発展を束縛している體制?仕組み上の障害がかなり多く、都市?農村および地域間の発展の格差と人びとの所得分配面の格差は依然としてかなり大きい。また、末端における一部の黨組織は軟弱でまとまりに欠けており、一部の分野では消極?腐敗現象が発生しやすく、多発しており、反腐敗闘爭の情勢が依然としてかなり厳しい、といったことがそれである。これらの困難や問題に対し、われわれは大いに重視し、いっそう真剣に解決しなければならない。
以上に述べたここ五年間の取り組みは、十六回大會いらいの全面的な小康社會づくりに向けた、十年にわたる実踐を構成する重要な部分である。さらにこの十年間において、われわれはわが國の発展における重要な戦略的チャンスの時期をしっかりとつかみ、よく活用した上、一連の大きな試練を乗り越え、全力を盡くして中國の特色のある社會主義を新たな発展段階に推し進めた。
ここ十年において、われわれは一連の新たな歴史的成果を収め、小康社會の全面的な実現に向けて確固とした基盤を築き上げた。この十年間はわが國の経済が持続的に発展し、民主が絶えず健全化され、文化が日増しに繁栄し、社會が安定を保っている時期であり、民生の保障と改善が一段と強化され、人民がより多くの実益を手にした時期でもある。これはすべての人びとが認めるところである。なぜこのような歴史的成果を収めることができたのか、それはわれわれが黨の基本理論?基本路線?基本綱領と基本的経験の正しい導き、新中國の成立いらい、とりわけ改革開放以降築き上げられた確固たる基盤、それに全黨と全國各民族人民の団結?奮闘に頼ってきたからにほかならない。
ここに私は中國共産黨中央委員會を代表して、全國各民族人民、民主諸黨派、各人民団體および各界の愛國の人びと、香港特別行政區の同胞、澳門特別行政區の同胞および臺灣同胞並びに広範な華僑同胞に対し、また中國の現代化建設に関心を示し、力添えしてくれている各國の友人の皆さんに対し、心から感謝の意を表すものである。
十年にわたる奮闘の道のりを総括する上で最も重要な経験は、われわれがあくまでもマルクス?レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論、「三つの代表」の重要な思想を導きとして、果敢に実踐を踏まえた理論刷新の推進に挑み、中國の特色ある社會主義の堅持と発展をめぐって、相互に密接につながり、互いに相通じている一連の新しい思想や観點、論斷をうち出し、科學的発展観を形成し、徹底させたということである。科學的発展観はマルクス主義が現代中國の現実および時代の特徴と結びついた所産であり、マルクス主義の発展に関する世界観と方法論を集中的に具現したものである。それは新しい情勢下でどのような発展を実現し、どのようにして発展を成し遂げるかなどの重要な問題について新たな科學的回答を出したため、中國の特色ある社會主義の法則に対するわれわれの認識をより高い水準に引き上げ、現代中國のマルクス主義の発展における新生面を切り開いたのである。そしてまた、科學的発展観は中國の特色ある社會主義理論體系の最新の成果であり、中國共産黨の集団の英知の結晶であり、黨と國家のすべての活動を指導する上での強大な思想的武器である。科學的発展観はマルクス?レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論、「三つの代表」の重要な思想とともに、黨があくまでも長期的に堅持しなければならない指導思想である。
未來に向けて科學的発展観を深く貫き、確実に実踐することは、中國の特色のある社會主義を堅持し、発展させる上で重要な現実的意義と深遠な歴史的意義をもっているため、科學的発展観をわが國の現代化建設の全過程に貫徹し、黨建設のあらゆる方面で具現させなければならない。全黨はぜひとも、いっそうすすんで経済社會の発展促進を科學的発展観の徹底化における第一義として位置づけ、いっそうすすんで人間本位を科學的発展観の徹底化における中核的立場に據え、いっそうすすんで全面性?調和性?持続可能性を、科學的発展観を徹底化する上での基本的要請とし、いっそうすすんで全局的な立場に立った各方面への配慮を、科學的発展観を徹底化する根本的方法としなければならない。
思想を解放し、実事求是の態度をとり、時代とともに前進し、真実を求め実際を重んずることは、科學的発展観の最も鮮明な真髄である。実踐の発展には永遠に行き止まりはなく、真理の認識には永遠に行き止まりはなく、理論の刷新には永遠に行き止まりはない。全黨はあくまでも大膽に実踐し、変革し、創造革新に挑み、時代発展の要請を把握し、人民の共通の願いに順応して、たゆまず中國の特色ある社會主義の法則を模索し、把握しなければならない。また、いつまでも黨の生命力、國家発展の原動力を保ち、全力を盡くして黨と人民の創造的な実踐のなかで、中國の特色ある社會主義の洋々たる発展の前途を切り開いていかなければならない。