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60年をふりかえって
発信時間: 2009-07-07 | チャイナネット

林國本

 

今年は新中國が建國60周年を迎える年であり、メディアではいろいろな角度から、この60年をふりかえる企畫が組まれている。そのなかには、これまであまり一般の人たちに知られていなかったこともある。たとえば、さいきん、國産のジェットエンジンの開発、設計に攜わり、生涯をそれに奉げたエンジニア呉大観さんのことがメディアで紹介され、呉さんは今年93歳でなくなったあと、さらにその功績が追認という形ではあるが顕彰された。

呉さんは大學で勉強している頃、外國侵略軍の空爆で大勢の一般市民が死んでいるのを目にして、中國も自國の空軍をもたなければだめだと思い、卒業(yè)後、當時の解放區(qū)に赴き、のちに中國東北地區(qū)の航空機製造工場でエンジニアとして働くことになった。呉さんは、國外から導入したジェット機を目にして、どうしても自國のジェット機を作るべきだ、ということを提言し、やがてその仕事に攜わることになった。

今でさえ中國は一部の國から軍事利用のおそれあり、として技術移転を禁じられているのだ。生まれたばかりの新中國がどういう扱いを受けたかは言わずもがなのことである。そういう國外からの閉鎖をはねのけて、國産のジェットエンジンを開発し、それを搭載した飛行機のテストフライトにも成功した。その後、若手の育成にも力を入れ、93歳で息を引き取るまで、ジェットエンジンの開発のことを一刻も忘れることはなかった。

筆者は防衛(wèi)とか軍事の問題については、まったくの素人であるが、一ジャーナリストとして視野を広げるために日本のこうした分野の本もかなり読んでいるが、とくに前間孝則氏の著書などは精読している。そういうことから、世界の先進國でさえこの分野で開発をつづけることがいかにたいへんかということを門外漢として感じ取っている。

さいきんは、中國もリージョナル機の開発や大型旅客機の開発に意欲を示している。リージョナル機は國內マーケットがあるのでよいが、大型機となると、ボーイング、エアバスといったすでにブランド力のある競合相手がいる。したがって、技術力のほか、マーケティング、プロダクツ?マネジメントといった面での悪戦苦闘も避けられないだろう。

なが年、計畫経済にどっぷりつかってきたお國柄のこと。改革?開放30年でいろいろ勉強してきたが、いわゆる「先進諸國」の著名企業(yè)でさえ、エアラインの注文をとるのにひと苦労し、なかには十數年資金を寢かせたままにしておくことに耐えかねて倒産するか、軍需産業(yè)の傘下に入ってしまった名門企業(yè)もあり、ワイロを使って他國の政治家を巻き込んだケースさえある。

中國は大型旅客機市場の「新顔」として仲間入りするからには、技術面ばかりでなく、マーケティング、各國エアラインへの働きかけといったことにも注力していくことが必要となろう。建國60年の成果を踏まえてさらなる成長を願う気持ちである。

 

「チャイナネット」 2009年7月7日

 

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