昨年以降、中國経済は緩やかな減速傾向にある。國內外の経済界ではこれに関して論爭が繰り広げられている。「中國経済は2013年にハードランディングに陥る」とある外國の専門家が言えば、「中國の高度成長期はまもなく終わり、中速成長期に突入する」と予測した中國の學者もいた。これらの論調に対し、元中國共産黨中央政策研究室副主任の鄭新立教授は斷固反対の姿勢を示した。鄭氏は、「中國の高度成長期は少なくともあと20年は続く」と大膽な見方を示した。
中國経済はすでに30年間成長を続けてきたが、どのようにしてあと20年成長を維持するのか?中國経済のポテンシャルはどこに隠されているのか?これらの問題について、鄭新立教授に話を聞いた。
ポテンシャル(1)
需要ポテンシャル――「工業化、都市化、農業の現代化の任務はまだ達成されていない」
記者:
「中國の高度成長期はまだ終わっていない」と判斷した根拠は何か?成長の最大のポテンシャルはどこに隠れているか?
鄭新立氏:
まず挙げられるポテンシャルは需要ポテンシャルだ。これは投資需要ポテンシャルと消費需要ポテンシャルに分けられる。
投資需要ポテンシャルについて述べると、工業化、都市化、農業の現代化の任務はまだ達成されていない。昨年、中國の都市化率は中國史上初めて50%を超え、都市化の過程における象徴的な節目に到達した。しかし、先進國の教訓からすると、安定するのは都市化率が70%を超えてからである。都市化率が1年に1ポインずつしか上がらなかったならば、中國は少なくとも20年後はまだ工業化、都市化の発展途中にある。都市人口が1萬人増えるごとに、平均で10萬元のインフラ投資が必要となる。これに公共サービス投資を加えると、需要はさらに大きくなる。1年に1%、すなわち1300萬人増えたとしたら、1兆3000億元のインフラ投資が必要となる。したがって、都市化がまだ達成されていない中國では、都市化がもたらす需要が今後20年の安定した成長を支える。これこそが最大のポテンシャルである。
消費ポテンシャルについて述べると、2010年、中國の投資率は48.6%に達し、新記録を更新、一方、最終消費の対GDP寄與率(寄與度)は47.4%と過去最低となった。投資率が史上初めて寄與度を上回ったが、これは世界でも珍しい。そのうち、住民の寄與度は33.8%に低下、これはGDPの約半分が再生産の拡大に使われ、國民の消費には3分の1しか使われなかったことを意味している。このような構造の崩れは良循環とは言い難く、將來的にかならず生産能力の深刻な過剰を招く。
経済成長モデルを転換する上で、最も重要なのは需要構造を調整し、消費を拡大することである。住民の寄與度が大幅に上昇しなければ、成長モデルの転換は達成されない。今後20年の経済成長も実現されることはないだろう。所得配分の調整を通して中?低所得者の給與水準を上げ、自動車や家電、観光、教育にお金を使わせる。このようにして初めて経済は活性化するし、経済成長も促進される。